スケール感あふれる北のスラッガー

　将来のプロ入りが期待される「ネクスト・ドラフト候補」第２回は、北海道文教大の主砲・西浦真平外野手（３年、北照）だ。１２月５日から始まる侍ジャパン大学日本代表候補の強化合宿（愛媛・松山）に参加する逸材で、この秋の札幌６大学リーグ戦では打率.４２１をマークした。１８７センチ、１００キロとスケール感あふれる左の大砲が日の丸目指して生き残りを図る。

【ネクスト・ドラフト候補】①回転効率は驚異の１００％ 岩教大の１４６キロ右腕・矢花大聖

初めてだった侍候補の選出時には

　京都から北照高を経て恵庭で成長した長距離砲。各カテゴリーで初めての日の丸候補入りに「自分が一番びっくりしました。授業中に友達から『選ばれてるぞ』って聞かされてびっくり。しっかり練習もして準備はしてきたつもりなので、準備したものを出せるようにやっていきたい」と意気込んだ。

〝１期生〟ですぐに不動の４番へ

　北海道文教大が硬式野球部の本格強化に乗り出した翌年の２０２３年春に入学した〝１期生〟の一人だ。１年春のリーグ戦から公式戦に出場。不動の４番として打線の中心に座った。北照高３年時の２２年夏の南北海道大会準々決勝では、同年のドラフトで広島から１位指名された苫小牧中央高・斉藤優汰投手から２打席連続で本塁打を放つなど、パンチ力には定評があった。今では大学の右翼フェンス９０メートルは西浦にとって手狭で、「あんまり引っ張るなって言われるんですけど、練習なんでそれなりにしっかり打ってますね」。打球は防球ネットを越えて付属高校のサッカー場へ飛び込むこともしばしばあるという。

今年初めて経験した１部のレベルに

　今年初めて昇格した１部春季リーグでは打率.２０７と苦しんだ。「春のリーグ戦は、チームに迷惑をかけてばっかだった。（顧問の）樋越さん、高橋（前）監督にもいろいろ教えてもらっていたので、練習の量は増やしましたね」。リーグ戦後は、１時間半ほどの早朝自主トレを行い、全体練習後には室内練習場で１時間の居残り特打を敢行。「夜になるとグラウンドも暗くなってバッティングもしづらくなるので、練習環境には全然文句なくやれてますね」。さらに寮に帰宅後も、毎日の素振りを欠かさなかった。秋は打率４割越え、１部リーグで北海学園大と並び同率２位へと躍進したチームに貢献した。

今夏行われた日米大学野球が転機に

　プロ野球への思いを強く意識させる機会にも恵まれた。今年７月８、９日にエスコンフィールド北海道で行われた日米大学野球選手権に出場する侍ジャパン大学日本代表が同校での事前練習を行い、間近で世代トップレベルの選手たちを見ることができた。２３年に完成した国内最大規模の室内練習場では「（今年の）ドラフト１位でＤｅＮＡに指名された小田康一郎選手（青山学院大）とかのバッティングを動画で撮ったりして見てたんですけど、やっぱりキレとか、再現性が高い。常に同じスイングをしている。大学生ではトップクラスの人たちばっかりなので、打球スピードであったり、体のキレとか、ピッチャーのピッチングも少し見たりして、こういうところで活躍してやっていきたい」と、思いがふつふつと湧き上がった。

激しい生き残り競争

　合宿に参加する外野手は西浦を含めて１３人。最終的には５人程度まで絞られる見通しだ。激しい生き残り競争には「やっぱり自分はバッティングが売りの選手なので、バッティング練習でも目立った姿を見せたいですし、６日に実戦形式の紅白戦かシートバッティングがあると思うので、大きなのを狙いすぎずに、しっかりコンパクトに振りにいきたい。自分の力を出して結果を残せれば選んでいただけるのかな」。来年の大学ラストイヤーへ、北のスラッガーが全国区に躍り出る。

■プロフィール　西浦　真平（にしうら・しんぺい）　２００４年４月２７日、京都市生まれ。１８７センチ、１００キロ。右投左打。京都市原野小３年の時、市原野イーグルスで野球を始める。同５年時に枚方ボーイズに移籍して投手に。京都洛北中時代は硬式の東山ボーイズで一塁手。北照高では２年夏にベンチ入りし、３年春に全道準優勝。夏は南北海道大会８強だった。北海道文教大では１年春から主砲を務め、秋に札幌６大学２部で優秀選手賞を受賞。２年秋には２部で優勝してベストナインに選出された。３年生となった今季の１部秋季リーグ戦では打率.４２１をマークし、２年連続のベストナインに選ばれた。家族は両親と姉、兄、妹。

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