男子は創部6年目の札幌大谷が初V 夏の北海道王者・東海大札幌高を圧倒【春高バレー北海道予選】
創部6年目で初優勝した札幌大谷=撮影・西川薫
■全日本バレーボール高校選手権北海道代表決定戦 最終日(11月14日、北ガスアリーナ札幌46)
▽男子決勝 札幌大谷2-0東海大札幌高
札幌大谷が夏の総体北海道予選決勝で敗れた東海大札幌高をストレートで下し、創部6年目の初優勝と、2年連続2度目の本大会出場を決めた。また女子が準優勝で4年ぶり出場を決め、北海道から初のアベック出場を成し遂げた。
圧巻の2-0ストレート 最大13点差!
圧勝だった。第2セット開始から8連続ポイントで大きくリードすると、一度も並ばれることなく最大13点差まで突き放した。OH遠山吹輝主将(3年)は「本当に嬉しいです。東海さんと一緒に春高を頑張りたいと思いますし、新しい伝統を作れた、というのが一番嬉しい。ブロックしたり、ワン(タッ)チを取って切り返すのが自分たちの理想とするバレー。その形がうまく機能したと思います。一番はサーブミスが少なかったこと」。全てを出し切った勝利に、応援席にあいさつを終えると大きく吠えた。
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中高一貫の集大成だ。遠山とライトの宮崎真優(3年)が札幌大谷中入学時の2020年に、高等部の男子バレーボール部が創部。ベンチには7人の札幌大谷中出身の1、2年生もいて「6年も一緒にやってるので、お互いの雰囲気は分かってますし、やりたいこととか、なんていうか、テレパシーというか、阿吽(あうん)の呼吸があるチーム。中高一貫なので、中学生もきょうは応援してくれましたし、大学生も来てくれたり、学校の生徒も来てくれたので、そういうところで優勝できたのは、ただ優勝するだけじゃなく、倍嬉しい」と声を弾ませた。
札幌大谷のOH遠山主将
「大谷中だけの力ではできなかった優勝」
それだけではない。高校進学時にほかの中学からも入ってきて競争は激化する。「大谷高校で優勝するために違う中学から入ってきた人もいますし、エースの小林だったり、大谷中だけの力ではできなかった優勝かな」と胸を張った。
初陣の昨年に感じた〝不完全燃焼〟
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初陣の昨年は、1回戦で天理相手に2-0で全国初勝利を挙げたが、2回戦ではインハイ王者・駿台学園に0-2でストレート負けした。「去年は、準優勝で不完全燃焼みたいな感じで、チームにやり残した感じのあった春高だった。春高が終わってから、攻撃力を常に高めることを意識して練習してきましたし、去年、一昨年と比べても高さがあるので、そこは自信を持って取り組みました」。夏は東海大札幌高に敗れて全国を逃したが、強みを伸ばして5か月後に、しっかりとリベンジした。
亡き母に胸張って報告したい初優勝
遠山主将には、この初優勝を見せたい人がいた。日高門別出身で中学には男子バレーボール部がなく「創部して間もないチームっていうのが一番の(進学)理由。小学生の頃に強いところに行きたい、という気持ちと、ここでなら全道トップレベルのバレーができる」という思いで札幌大谷中に進学して札幌で寮生活を始めた。母の知江さんは、遠山の試合がある度に応援に駆けつけてくれたが、昨年8月にくも膜下出血で51歳の若さで他界した。「突然だったんですけど、お母さんが一番見たかった大会が春高。去年は準優勝で初全国だったから、ちょっと嬉しい気持ちはありましたが、まだ足りない感じがしたので、今回優勝して報告したい気持ちがあった。これで100点満点もらえると思います」と、誇らしげに胸を張った。
男子初優勝に笑顔をみせる札幌大谷・OH遠山主将(左)
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再び挑む全国大会。「この調子でいきたいですけど、まだまだ準決勝、決勝で出た課題もありますし、そこを見直して、もう1回、準決勝の終わりのような雰囲気で切り替えて、チームの目標のベスト8以上を達成できるように頑張りたい」。北のオレンジ軍団が、全国の猛者たちとの戦いへ向けて、ツメを研ぐ。
■準優勝で全国大会に出場する東海大札幌高の190センチ長身MB金津獅勇(しいさ、2年)
「(中学までは陸上部だったため)最初は全然できなくて楽しくなかったんですけど、慣れてくると、スパイクも強くなってくるので、成長を感じられるところが楽しい。(初出場の)春高では1回戦はちゃんと勝ち抜いて、そのあとは気合で頑張っていきたい」
男子準優勝の東海大札幌高の2年生MB金津(11番)