広島ドラ1・平川蓮が母校で教育実習 〝先生デビュー〟に「楽しかった」
広島ドラ1の平川は、母校・札幌国際情報で行われた教育実習で保健体育の初授業を行った=撮影・西川薫
放課後は野球部練習に参加
ドラフト会議で広島からドラフト1位指名を受けた仙台大の平川蓮(21、札幌国際情報)が5日、母校で教育実習初授業を行った。同校からドラフト指名は2006年の作田啓一さん(巨人育成6巡目)以来で、1位は初めて。放課後には野球部の練習にも参加した。
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スーツをバリッと着こなした〝平川先生〟による50分の保健体育、最初のテーマは「飲酒と健康」。パソコンで約1時間かけて作成したワークシートを使って、和気あいあいと授業は進んだ。ペースがつかめずに最後の10分が余ってしまい、担当教諭で元日本ハムの有倉雅史監督(58)に助け舟を求める場面もあったが、授業終わりには生徒から拍手も起こった。「楽しかったっすね。カンペがあったんですけど、自分の教室にカンペ忘れて。それで、最初てんぱって思ったよりうまくいかなかったですね」と苦笑い。有倉監督は、教え子の授業っぷりに「準備不足。戦力外ですね(笑)」と手厳しい評価を下した。

父からは「遅刻だけはしないように」
教育実習に臨むにあたり、父であり、教員として大先輩である北海高の平川敦監督(54)からは「遅刻だけはしないように」とくぎを刺されていた。4日は校内でサインを求める女子生徒らに囲まれるなど、ちょっとしたフィーバーが起きたが無事、本格実習初日を終えた。
授業で明かしたストイックな一面は
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一度決めたことは最後までやり通す。元々、仙台大には高校の保健体育の免許取得という目的もあった。教育実習は当初、6月に行われるはずだったが、侍ジャパン大学日本代表の合宿と重なり、秋のリーグ戦後の11月にずれ込んだ。ドラフト1位指名でのプロ入りが決まったが、将来のセカンドキャリアを念頭に「野球を辞めたときには、教えるのかもしれないし、選択肢を増やす意味で取りました」。この日の授業の中では「筋肉は大事にしたい。お酒は一番悪い影響を与えるので、飲まない」とストイックな一面ものぞかせた。

有倉監督「圧倒的に体が変わりましたよね」
有倉監督にとっては教員生活25年目にして教え子から初めてのプロ野球選手だ。ドラフト1位指名に「すごいと思いますね」と素直な感想を口にした。自らも北海高3年時にロッテからドラフト6位で指名を受けるも拒否。日体大で教職課程に進み、4年時に日本ハムからドラフト6位指名を受けプロ入り。現役引退後の2000年に特別選考枠で教員に転身した。平川の高校時代を振り返り「(打者としての)雰囲気はありましたよね。振る力もあったし、圧倒的に体が変わりましたよね、大学行って。さっきも、酒は飲まないと言っていたし、自分の体にちゃんと向き合ってやってきた結果ですよね」。高校3年夏から身長が4センチ伸び、体重も15キロ増えた教え子に目を細めた。
母校で教育実習中の平川は、放課後に野球部の練習に参加して汗を流した
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1月の新人合同自主トレへ向け、教育実習中も体がなまらないように、放課後は野球部の練習に参加。昨夏の練習参加以来の再会となった奥山樹主将(2年)は「知っていた選手だったので、ドラフトの時も応援していた。ドラフト1位が身近から出たのがビックリなのと、自分たちに勇気を与えてくれて、すごくかっこいい」と、尊敬のまなざしで見つめる。平川も「自分の経験を後輩に伝えられたら」。平川にとっても後輩にとっても、貴重な3週間になる。