柴田コンサJ1復帰の可能性消滅 「もっとサッカーに対して…」高嶺主将が仲間に伝えたメッセージは
今季のJ1昇格が消滅し、サポーターにあいさつする高嶺主将(手前左)ら札幌の選手たち=撮影・中本翔
■J2第35節 千葉5-2札幌(11月2日、千葉・フクダ電子アリーナ)
北海道コンサドーレ札幌は2日、敵地で千葉と対戦し2-5で敗れた。札幌は引き分け以下でPO圏進出の可能性が消滅する一戦を落とし、来季のJ2残留が確定。シーズン途中からクラブを指揮した柴田慎吾監督(40)は「自分自身の力不足を感じています」と唇をかみしめた。
試合中に厳しい表情を見せる柴田監督
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勢いの差は歴然だった。昇格を争う千葉の強さを、これでもかと見せつけられた。先制点を与えた札幌は、前半21分にスパチョークのゴールで同点に追いついた。しかし、勝利を目指して前掛かりになった後半は5分、10分と立て続けに失点。その後も次々と追加点を決められ大差の決着となった。
試合後は指揮官も言葉を詰まらせ…
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若き指揮官は試合後、目を真っ赤にし、ときおり言葉を詰まらせながら胸にある思いを伝えた。大目標に掲げた1シーズンでのJ1復帰を逃し「チームが上手くいってない中でクラブは監督交代を決断した。J1昇格が一番のミッションで、それを達成できなかった。そこが心残りというか…、全てだと思います」と声を絞り出した。
試合後、記者会見する柴田監督
クラブは開幕4連敗とスタートダッシュに失敗。序盤の出遅れは大きく響き、その後も低空飛行が続いた。一時は9位まで順位を上げたものの、岩政前監督は8月の長崎戦に敗れた直後に解任となった。残り13試合でバトンを引き継いだ柴田監督は、難しい舵取りを必死にこなしたが、何よりも欲しかった結果は得られなかった。
ベルギー1部リーグ・コルトレイクから覚悟を持って古巣へ戻った高嶺は、J1復帰の可能性が消えた事実を正面から受け止めた。「(課題は)波があるというところと、去年までJ1だったという驕りみたいなものがあったと思う。自分たちの方が上手いのかもしれないけど、相手の方が走っているし基本的なところで負けていた。きょう負けたということもあるけど、シーズンを通して弱かったという印象です」と、今季の戦いを振り返った。
後半40分、千葉のFW呉屋に5点目を奪われ、肩を落とすMF高嶺主将(中央)ら札幌の選手たち
孤軍奮闘を続けた主将は、試合後のロッカールームでチームメートに強い言葉で訴えかけたという。
「もっとサッカーに対して真摯に取り組み、人生を懸けてやっていかないと、J2で何年も過ごして自分たちのキャリアがもったいなくなると話しました。練習から(全力で)やるためには練習前の準備や私生活が大切で、一人一人がサッカーのために生活することで練習の質が高まる。一人が頑張ったところで、その力は大きくない。一人一人が変わらないとチームとしては変わらない。『日本代表になりたい』とか、目標から逆算して日々を過ごせるように。サッカーに対する思いを強く持って、私生活から徹底することが大事だと思う」
後半、ミドルシュートを放つMF高嶺(左)
札幌のJ1復帰は、どんなに早くても2027年シーズンとなった。今季は残り3試合。上も下も見えない日々だが、プロとしてのプライドを失うわけにはいかない。「上を目指す選手は、毎日の積み重ねがその先につながると考える。自分は試合に対してのモチベーションが落ちることはない。来年に希望を持ってもらえるような試合をしたい」。主将の熱意は、きっと伝播する。
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