野村佑希 内野の次は外野で連日特守 悔しかったあの日のことは「もう忘れます」
外野で特守をする野村=撮影・松本奈央
■秋季キャンプ(11月1日、エスコンフィールド北海道)
志願の参加でみっちり1時間超
日本ハムの野村佑希内野手(25)が連日の居残り特守を行った。前日は内野でこの日は外野。森本稀哲外野守備走塁コーチ(44)と対話する中で参加を願い出て、精力的に汗を流した。
森本コーチ(左)と話し込む野村
【ファイターズの最新記事はコチラ】
基本的にポジションは固定されない。個々の状態や相手投手との兼ね合いでスタメンは日々、変わる。新庄監督のスタイルを理解した上で、野村は、進化を求めていた。1時間以上続いた外野特守では水谷、吉田、五十幡と一緒に足の運びや打球判断などをチェック。スロー映像を見ながら改善点を探った。
内野も外野も手を抜かない。覚えることは多いが「(想定するのは)サード、ファースト、レフト、ライト。内野と外野で打球の角度が違うだけ。動きも違いますけど(両サイドで区分けして)2つというイメージでやっています」と説明した。
外野で特守を行う(左から)水谷、吉田、野村、五十幡
エースの力投に救われたが…
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
オリックスと対戦したCSファーストステージ初戦(10月11日、エスコン)。レフトでスタメン出場していたが、一回の守りで左中間の飛球に追い付きながら落球。ピンチを招いた。先発の伊藤が踏ん張り、無失点で切り抜けたが、手痛いミスだった。
本職の内野と比較して、外野の経験値は少ない。大舞台ならではの緊張感もある。それでも野村は言い訳をせず「原因は技術的な部分じゃないですか。捕り方の問題もありましたし、(打球の見え方など)球場の特性もあって、落としてしまいました」と冷静に受け止めていた。
六回の守備からベンチに退くと、翌日の2戦目はベンチ外。CSファイナルの6試合はスタメンがなく、代打で2度の出場にとどまった。相手投手との兼ね合いや打撃の状態も判断材料だが、失策の影響は少なからず、あった。
10月11日のCSファーストステージ初戦、一回1死、オリックス・太田の打球を落球する野村
けがに失策 自ら手放したポジション
シーズン序盤は主軸として機能。5月中旬に左脇腹を負傷し、戦列を離れたが、復帰後は苦しみながらも要所で輝きを放った。プロ野球人生を懸ける覚悟で臨んだ7年目。ポストシーズンは不完全燃焼に終わり「悔しさはありましたよ。取り返すチャンスがあればとは思っていましたけど、なかった。難しい状況ではあったかなと思います」と奥歯をかんだ。
厳しい現実を突きつけられた。その経験は来季のモチベーションになるか―と問われた時、「いや、ならないです。もう忘れます」と迷いなく言った。感情にまかせて雪辱を誓うよりも、未来を見据えて行動する。「気持ちの部分ではもちろん悔しかったのはあります。でも試合に出ないことには次につながらない。来シーズンの打席に立てるように準備する。CSの借りを返すとかはない。実際に迷惑をかけてしまってチャンスを手放してしまった。もう一度、チャンスをもらえるようにやっていく」
清宮幸(左)と内野ノックを受ける野村
強い決意で再出発「出なければ選手でいる意味がない」
何よりも首脳陣の信頼を得ることが先決だ。そのためになりふり構わず、ベストを尽くす。
「出なければ選手でいる意味がない。野球選手として出られなくなったら終わりなので。どういう形でも1軍の打席をたくさんもらえるように取り組みたい」。開幕4番を任された男は、必要とされるためにゼロからリスタートしていた。
