柴田獅子 プロ2度目の先発で粘りの投球披露 その背中に熱視線を送る同期2人の思い
3回1失点と粘投した先発の柴田=撮影・宮永春希
■パ・リーグ18回戦 日本ハム1-2ロッテ(9月3日、ZOZOマリンスタジアム)
堂々の3回5安打1失点
日本ハムの柴田獅子投手(19)がプロ2度目となる先発登板を果たした。一回の立ち上がりに、いきなり連打を浴びて1点を失ったが、その後は粘りの投球を披露。3回を最少失点で切り抜けて、試合をつくった。
同期の投手たちが注目する二刀流右腕が、この試合で得た多くの経験を糧に、さらなる成長を期す。
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出はなをくじかれ先制点を献上
プロ初先発となった7月26日の試合では、ロッテを相手に3回を投げて1人の走者も許さなかった。だが、敵地での一戦となったこの日は違った。
一回、先頭の高部に初球をいきなり痛打され、右越え二塁打にされた。「絶対、振ってくるだろうなと思ったので、そこでガッといこうとしたんですけど、マウンドで思った以上に風で押されてしまって」。続く西川には5球目を右前に運ばれ、先制点を献上した。リベンジの機会を狙っていた相手打線に、いきなり牙をむかれてしまった。
先発の柴田は3回を投げて1失点=撮影・桜田史宏
見せつけた粘り強さ 手にした収穫
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それでもその後の2死一、二塁のピンチを抑え、最少失点で切り抜けると、二、三回も走者を背負いながら粘り強いピッチングで、スコアボードに「0」を刻んだ。3回51球を投げて5安打1三振の無四球という内容で、この日の登板を終えた。
「ギリギリ粘りながら抑えられたので、そこは良かったかなと思います。(自分の課題が)早く分かって良かったです。そこは本当に良い経験ができたので、これからにつながってくるという感じです」。味わった悔しさと、その中で見つけた収穫を、今後に生かしていく。

大きな刺激を与えるドラ1 清水大「見習わなきゃ」
高卒1年目ながら、この日で早くもプロ入り3度目のマウンドを踏んだ。その姿に熱視線を送るのが、高卒同期のドラフト2位・藤田琉と、ドラフト4位の清水大だ。自分たちよりも一足早く1軍の舞台で活躍する背番号31に対し、清水大が「本当に圧巻という感じですね。すごい考えて野球をやっているので、見習わなきゃと思います。柴田はレベルも高いですし、あのクオリティーでピッチャーもバッターもできるというのはすごいと思うので、結構、尊敬しています」
思い描く共闘 藤田琉「一緒に1軍の舞台で活躍を」
藤田琉も「普通にすごいなと思います。先に行ってくれた方が、自分は背中を追い続けられるし、良い目標にもなる。良い仲間でもあり、良いライバルでもあるので、柴田には頑張ってほしいです。しっかりやることをやって、最後には柴田と一緒に1軍の舞台で活躍していけるように、と思い描いています」とエールを送る。
新人合同自主トレでランメニューをこなす柴田(右)と藤田琉
高校での〝悔い〟をバネに
そんな同期たちの言葉に「(普段は)その真逆のことを言っていますね(笑)」と苦笑いを浮かべる柴田だが、同期に対する強いリスペクトも抱いている。
「僕は甲子園に出ていないので。(藤田琉と清水大が)甲子園に出ている時に、僕はテレビで見ていた。藤田は日本代表にも入って、いいなとか思いながら。(甲子園に)行きたかったですね。それが高校での悔いですね」
切磋琢磨する3人 柴田「やることをやっていく」
三者三様の経歴を経て、日本ハムに集った同期3人。現在、その先頭を走っている柴田は「やることをやっていく、という感じです。早くこのチームの戦力になれたらいいなとは思っていたので、それが今できてはいるので、それを崩さずに、という感じです」と1軍で戦い続けていく己の姿を思い描く。
トップランナーの背中を追う同期たちが成長し、1軍舞台で顔を揃えた時、日本ハムに新たな強力投手陣が誕生する。
エスコンでのお披露目イベントに参加した新人選手。(前列右から)清水大、藤田琉、柴田