ファイターズ
2022/01/08 14:27

上沢"監督"理想の1番はレ軍・秋山タイプ

2月26日オープン戦で指揮 兼任投手は悩みの種…

自主トレを公開した上沢。ビッグボスから託されたオープン戦のオーダーは、1番バッターを重視する構想を明かした(撮影・松本奈央)

 日本ハムの上沢直之投手(27)が7日、札幌市内で自主トレを公開し、新庄剛志監督(49)から全権委任されたDeNAとのオープン戦初戦(2月26日、名護)のオーダーについて構想を明かした。テーマは「対戦するなら嫌な打線」。打順の肝は1番で、理想の打者として前西武の秋山翔吾外野手(33、レッズ)を挙げた。メンバーは春季キャンプの内容を見て判断するつもりで、若手の奮起に大きな期待を寄せた。

「僕が組まれて嫌なオーダーにしたい」

 防寒仕様のトレーニングウエアに身を包んだ上沢が2022年シーズンに向けて動きだした。昨年、家族とともに関東から札幌へ移住。拠点を北海道に変えて戦う入団11年目の右腕は「チーム内の立場は、年齢を重ねてきて変わってきている。少しずつ周りを見て、気遣いながらやっていきたい」と大黒柱の自覚をにじませた。
 昨年12月には、新庄監督からオープン戦初戦のオーダーを決めるよう打診された。現役の主力選手がベンチワークの一端を担う―。斬新な取り組みの主役に選ばれ「僕が組まれて嫌なオーダーにしたい。今まではぼんやりとして考えていなかった。ちゃんと打順を決めるとなると、すごく難しい」と本音を口にした。
 指令を受けてから1カ月ほど考えを巡らせてきた。輪郭は見え始めている。最終的にはキャンプの仕上がりや紅白戦、練習試合の内容などを加味して組むが、重視するポイントがある。リードオフマンの存在だ。
 メジャーに移籍した強打者の名前を挙げ「秋山さんみたいに長打があり、ホームランも20発ぐらい打ち、打率3割を超えるような選手が1番にいたら嫌だと思う」と指摘。加えて「強いチームは1番にいい打者ががいるイメージ。投手も立ち上がりはすごく難しくて、出ばなをくじかれると初回から2、3点いかれる」と経験則に沿って説明した。
 中軸を含め、どんな9人を並べるのか。上沢は有望な若手に光を見いだしていた。「野村、万波しかり。五十幡とか、今川もすごく考えながらやっている。そういうのを見ていたら、大きくなってほしいなと思う」。中田、西川、大田が抜けたチームは変革期。次の世代のブレークが必須条件になる。
 一方でこの試合の先発投手は悩みの種だ。“監督”との兼任は難易度が高く、自らは立候補しない方針で「僕は(ベンチで)見たい」と笑った。
 年明け2日には家族で北海道神宮へ出向き、初詣を行った。引いたおみくじは、大吉。「みんなで良かったね、と思える年にしたい」。長い下積みと大けがを経てエースになった男は、明るい未来を信じてファイターズをけん引する。
(榎本真之)

"投手"上沢は「180イニング」目標

 今季目標に据えた「180イニング」を達成するため、上沢は課題と向き合っている。パフォーマンス向上や足のトラブル改善に効果があるとされるインソール(中敷き)を導入。股関節、膝の使い方に主眼を置いてフォームの調整を進めており「上半身の意識を消す。腕、肩で投げる意識は一切なくしたい。下(下半身)だけの力で無駄な力を入れずに投げる」と理想を追い求めていた。
 同時に球数を減らすための工夫も怠らない。外主体の配球を見直す方針で「内角に動くボールを投げられたら、結果が変わってくるのかなと。大胆に初球から勝負していける。厳しいところで打ち取るのではなくて、甘いところで打ち取れるように練習したい」と技術向上に余念がなかった。

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