【一問一答】万波中正 崖っぷちので燃えた19号V弾「退路がない感じがありました。それが楽しみに変わってー」
七回無死、勝ち越し弾を放った万波がほえながらベースを一周する=撮影・宮永春希
■パ・リーグ20回戦 ソフトバンク3-4日本ハム(8月22日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの万波中正外野手(25)が七回、勝ち越しの第19号ソロを右翼席へ放り込んだ。不振に苦しむ中、大事な場面で飛び出した32打席ぶりの一発。仲間たちから祝福され、喜びを爆発させた。ヒーローインタビューと取材に応じた一問一答は以下の通り。
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【ヒーローインタビュー】
―まず、斎藤投手のインタビューにずっと笑いをこらえながら聞いていたと思うんですけれども、その後にマイクを握る今の気持ちはいかがでしょう
「いや、誠にやりづらいですね~」
―同点で迎えた七回裏、最初の打席でした。どんなことを考えながら向かっていったんでしょうか
「打ったらヒーローだな~」
―その考え通り、お立ち台に立っていらっしゃいます。声援はどのように聞こえてますか
「本当に最高っすね。ビリビリ来ました」
ヒーローインタビューに答える万波=撮影・小田岳史
―打った瞬間の感触はいかがだったんでしょうか
「うーん、行ってくれ~って感じですね」
―思いが届いたんじゃないでしょうか
「もう本当にめっちゃ『入ってくれ』と叫びながら走ってたので、マジその一押しだったかなとか思ったりしてますね」
―8月は打率で苦しんでいる中、ここで出た1本っていうのはご自身にとっても価値あるものだったんじゃないでしょうか
「そう思います」
―この大事な試合でご自身のホームランで試合を決められたというのは、どうですか
「最高っすね。こういう試合、本当に大好きだし、この首位攻防戦でもう後がないという時に、ああいう1本が打てたのは、マジ最高」

―その後にマウンドに向かった斎藤投手の投球はどんなふうにご覧になってましたか
「本当に友貴哉さん、トークと違ってマウンドはマジ楽しいんで。きょうも球がエグいなと思いながら(ソフトバンクの打順が)3、4、5でしたけど、危なげなく友貴哉さんが帰ってきてくれたので。一番きついところを投げてくれて、本当にありがたいなと思いました」
―これでホークスとのゲーム差を2・5に縮めました。これからに向けて、どんなバッティングを見せたいか、ファンの皆さんに熱い、熱いメッセージをお願いします
「どんなバッティングを見せたいかというと、全打席ホームランなんですけど、きょうみたいな効果的な1本を打てたら最高だなと思いますし、ホークス戦に限らず、最近は毎試合、来てくれる皆さんがボルテージマックスで応援してくだって、選手みんな、力になっています。あしたからもよろしくお願いします」
ファンの声援に応える万波
【囲み取材】
―初球、ストレートを狙ったか
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「基本、真っすぐとフォークなので。真っすぐで簡単にストライクを取られないようにと考えて入りました」
―打った瞬間に行ったと思ったか
「かなりつかまったので。ただ、角度がそれほど付かなくて、行ってくれと願いながら走っていました」
―最近の打撃練習で手応えを感じていたか
「ほかの打席も含めて、いいなと感じることが増えてきました。三振している打席もフライに終わった打席も、結果はアウトでも動きとしてやりたいことが試合の場で表現できつつある感じはするので。練習から意図していることが結果になっているのは重要なことだと思っているので、いい傾向かなと」

―直近のホームラン2本がソフトバンク戦だった。意識にあったか
「ホームランを意識しているということはないですけど、前からゲーム差が詰まった中で試合をしているので、この試合で打ちたいという思いはすごくありますよね」
―直接対決で気持ちが入る部分も
「きょうはめっちゃ気持ちが入っていました。普段が入っていないということではないですけど、いい精神状態というか、いいメンタルで試合に入れたかなと思います。先制されたり、追い付いたり、追い付かれたりしても気持ちが揺れずに勝ちに向かって集中していけた。今年の中で一番、集中していたかな。開幕戦よりもいい感じで試合に入れたかなと思います」
―萎縮することなかったのか
「それはないですね、正直。マジでこういう試合がやりたいという気持ちですし、Aクラスに入れなかった時期が長くて、ずっとこういう大きい試合に憧れてテレビを見たりしていたので。当事者になったら楽しいし、恋い焦がれていたし。緊張はしているんですけど、それによって気後れするということはあまりないです。去年のCSも初めてでしたけど、すごいいい感じで入っていけたので。楽しみな試合としてプレーできているかなと思います」

―ベンチできょうは絶対に勝つ、という雰囲気があったか
「みんな、いつも通りにしようと努めていたと思いますけど、そういう空気感はありました。ここで3タテを食らったら限りなく終わりに近づくと、間違いなくみんな感じているはずなので。そういう意味で、退路がない感じが僕はありました。それが僕の場合、楽しみに変わっていますけど。人によってはプレッシャーかなと思います。ベンチの雰囲気としてはすごくいいです。みんなで前向きにホークスを倒そうという感じになっています」
―キャンプが始まる前から8月、9月に向けてと話していた。今そういう場面にいる
「今、言われて思い出しましたけど、確かにそうだなと。ここからだとマジで思います。個人的にもチーム的にも。今、2位にいるというのは…もちろん、最初はぶっちぎっての優勝が目指しているところでしたけど、この8月末に勝負できる位置にいられているのは、めちゃくちゃいいことじゃないですか。110試合を過ぎて、疲れる時期だと思いますけど、そこでこれだけやる気を燃やしてできるのは幸せなことだと思う。みんな、こういうところでいい活躍をするためにやっている部分がある。個人的には楽しみだし、うれしいし。個人成績が良くても良くなくても毎日、頑張れるいい刺激というか、プラス材料だと思います」