清宮幸太郎 サヨナラ勝利への活路を見いだした 待望の〝確変〟に「もう行きますよ!」
九回2死満塁、野村(手前)が逆転のサヨナラ打を放ち、清宮と喜ぶ=撮影・桜田史宏
■パ・リーグ19回戦 オリックス5-6日本ハム(8月19日、エスコンフィールド北海道)
劇的勝利への突破口を開いた!
劇勝の火付け役となった。日本ハムの清宮幸太郎内野手(26)が九回1死から右前打で出塁し、野村のサヨナラ打につなげる働きを見せた。2点ビハインドでオリックスの守護神・マチャドと相対した。試合前の時点で防御率1.49を誇った難攻不落の豪腕が相手だったが、一打で球場の空気を一変させた。
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まさに〝演出家〟 「見え方が良くて、その流れで入っていけた」
「前の打席から結構、見え方が良くて、その流れで入っていけたんで、ボールはよく見えていた」。その言葉通り、1ボールから158キロ直球を右前に運び、突破口をこじ開けた。
13日のロッテ戦(エスコン)でも九回に安打を記録し、サヨナラ勝利をアシストするなど、〝演出家〟としての存在感を見せている。
九回1死、清宮が右安打を放つ
試合後には殊勲打の野村と…
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首位・ソフトバンクと3ゲーム差で迎えたエスコン6連戦。そして、今カードを終えると、そのソフトバンクとの3連戦が待ち構えている。1つのミスが命取りとなる後半戦。先頭で迎えた七回に四球で出塁したものの、けん制で刺されてしまうミスを犯した。
ただ、チーム一丸となり、負けられない6連戦の初戦を劇的勝利で飾り、清宮幸も「本当、野村に助けられたと思います」。野村の一打を何よりも喜んだ。試合後には野村と食事に行く予定も立てていたこともあり「気持ちいい飯になりそうです」。鮮やかな逆転勝利に浸りながら、英気も養ったことだろう。
七回無死一塁、一走・清宮がけん制アウトになる
球宴で見せた勝負強さと感謝の気持ち
そして、ここからは清宮幸のバットが不可欠となる。思い起こされるのは、今年の球宴で見せた打撃だ。本塁打競争で決勝に進出し、第2戦でも本塁打を含む3安打2打点をマークし、MVPを獲得。特に本塁打競争では準決勝7本、決勝はDeNA・牧に1本差で敗れたが、6本をスタンドに放り込むなど、球場を沸かせてみせた。
本塁打競争を終えた後、決勝進出をアシストしてくれた高市打撃投手に、使用した打撃手袋をプレゼントした。「感謝の気持ちです。それぐらいでしかお返しできなかったので。本当は賞金をあげたかったんですけど、力不足でした」
さあ逆転Vへ 豪快アーチ量産だ!
ただ、今季は優勝という最高のお返しをするチャンスがある。一度、球宴で本格化の兆しを見せたが、打率.261、9本塁打、45打点にとどまっており、絶好調とは言いがたい。
この勝負どころを勝ち抜くために、皆が待ち望むのは、球宴のようにアーチを量産する背番号21の姿。「(状態は)悪くないっすね。もう行きますよ!」。清宮幸が〝確変〟に入れば、パ・リーグの頂もはっきりと見えてくる。
