夏季スポーツ
2022/01/06 14:26

女子バレー旭実 無念の力負け…1年生エース笠井奮闘も全国の壁痛感

ヴォレアス所属 越川コーチ流バックアタック磨き次こそ白星つかむ

旭実の1年生エース・笠井はバックアタックを含め、ただ1人の2桁得点をマーク。敗れた悔しさは次の全国大会につなげる(撮影・富田茂樹)

■全日本バレーボール高校選手権 第1日(5日、東京体育館)

 男女1回戦が行われ、2年ぶり30度目の旭実は0―2で松山東雲(愛媛)にストレート負けした。昨年夏から外部指導者としてチームに加入した、元日本代表でV2男子ヴォレアス北海道の越川優(37)指導の下、バックアタックを強化。1年生エースの笠井季璃がバックアタックの1得点を含むチーム最多の10得点を挙げるなど、敗れたが確かな成長の跡を残した。札大谷は0―2で進徳女(広島)に、男子の札藻岩も0―2で東亜学園(東京)に屈した。

笠井「1本決められたのは手応え」

 旭実ブロック陣のさらに上から打ち込まれる相手の強烈なアタックに最後まで苦しめられた。岡本祐子監督(43)は「想定以上でしたね。分かっていても止められない」。全国のレベルの高さをあらためて痛感した。
 劣勢の中、1年生エース・笠井が奮闘した。最高到達296センチの高さを生かして第1セットに6得点、第2セットでは4得点とチームでただ1人2桁得点をマークしたが、「決めてほしいという場面で、自分がレフトから決められなかった」と、勝負どころでの決定力不足を反省した。
 昨夏の総体予選後に加入した越川コーチは、代名詞とも言えるバックアタックをチームに伝授。チームの得点パターンが増え、2年ぶりの本大会出場につなげた。この試合では、笠井が2度試みて1度成功。「もう少しバックアタックを活用したかった。でも1本決めれたのは手応え」と、さらに磨きをかけていく。
 2日にチームに合流し、ベンチで戦況を見守った越川コーチは「直前合宿では自分の能力を出せていたが、伸び伸びとできなかった」。しかし“春高バレー”独特の緊張感の中、最後まで戦い抜いた選手をねぎらった。
 この貴重な経験を無駄にしない。笠井は「高さをもう少し生かして、どんなボールでも決めるエースになりたい」。技術もメンタルも磨き、絶対的エースとして再び大舞台に帰ってくる。(西川薫)

札大谷 涙の敗戦も6年間の仲間に感謝

○…第1セット開始から4連続失点するなど流れに乗りきれないまま、ストレート負け。先発6人中、5人が札大谷中出身で、3季前の全国中学8強メンバー。中学時から主将を務めるセッターの山田帆夏主将(3年)は「6年間やってきた仲間と最後まで一緒にプレーできたのはうれしかったが、結果につなげられなかったのが悔しい」。快進撃の再現とは成らず、目を真っ赤に腫らしながら言葉を絞り出した。

男子札藻岩 笑顔で会場に別れ「いいプレーできた」

○…昨夏の総体後、2人だけ残った3年生がすがすがしく最後の戦いを終えた。セッター兼アタッカーの沢口恭士郎は「あっと言う間に終わっちゃった。でも、全員いいプレーもできたし、いい経験ができた」。一度、引退してチームに復帰したリベロの山内然は「全国大会自体が人生で初。オレンジコートを見て、早く試合がやりたかった。試合中も楽しんでできた」。2人は笑顔で会場に別れを告げた。

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