十種競技の右代啓祐が江別のフリースクール初代学長に 選手兼監督で28年ロス五輪へ意欲
地元・江別でフリースクールの初代学長を務めることになった陸上・十種競技の右代さん(中央)=撮影・西川薫
ロンドン、リオ五輪に出場した日本記録保持者
陸上・十種競技の2012年ロンドン、16年リオ五輪日本代表で、日本記録保持者の右代啓祐(38、国士舘クラブ)が2日、地元・江別で自身が社外取締役を務める「えべつまちづくり株式会社」の設立総会に出席。6月にオープン予定のフリースクール初代学長に就任することを発表した。また会見後には、2028年ロサンゼルス五輪出場を目指すことも明らかにした。
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キングオブアスリートが、再び世界を目指す。昨秋、母校の国士舘大陸上部男子の監督に就任。4月から監督兼選手として本格的に始動した。まずは7月の日本選手権(岐阜)が照準だ。「自分の教え子が5、6人出る。少しでも自分を超えてもらえるようなきっかけや、本当の戦い方というものを教えたい。東京で行われる世界陸上、その先のオリンピックももちろん目指しますが、そこに代表として出るためには優勝しなきゃいけない。本当に厳しい戦いになると思うが、最善を尽くす。あと1カ月半あるので、そこも僕の大事にしてるところ。陸上だけじゃなく、いろいろなこともできる〝十種競技〟だと思っているので、そういった活躍をぜひ期待していただきたい」。まだまだ教え子に負けていられない。日本記録保持者のプライドが垣間見えた。
2014年6月1日、全日本陸上競技選手権混成競技男子十種競技で日本記録を樹立し、ガッツポーズする右代
「自分は江別にものすごく育ててもらった」
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現役トップアスリートとしての活動と並行して、地元活性化という新たなスタートラインに立つ。「えべつまちづくり株式会社」への参画は、代表を務める林匡宏代表(42)との出会いがきっかけだった。コロナ禍の時、右代が「ユニフォームを作ってくれないか」とSNSで呼びかけたところ、地元の人が支援してくれた。「江別のななかまどをイメージした赤いユニフォーム。地元とつながってくれている方がいるんだ、と。そこから林さんを紹介してもらって、大麻銀座商店街を封鎖してイベントをやったりするうちに『自分は江別にものすごく育ててもらったんだな』という部分と、自分が陸上を通じて手に入れたものを、どこで子供たちに伝えたいか、と思った時に、やっぱり地元、江別だ」と思い、断る理由はなかった。
地元・江別でフリースクールの初代学長を務めることになった陸上十種競技の右代さん(後列中央)ら『えべつまちづくり株式会社』メンバー
母校陸上部の監督、選手、初代学長と八面六臂
国士舘大体育学部体育学科の准教授としての肩書も持つ。フリースクールの初代学長就任に関して「本当に生まれ育った大麻でスタートできるフリースクールというのは、すごく喜ばしいこと。スポーツで自分が手に入れてきたものを伝えながら、子供たちの課題を解決できるようなきっかけを、スイッチを押してあげられるような立場になれたら。自分が伝えたいことを、みんなで共有して、自分の心や魂が、子供たちに宿ってくれたらうれしい」。活動拠点は東京だが、江別市内に四つある私大との連携も視野に入れながら、札幌第一高卒業まで18年間を過ごした故郷に、自らの経験を惜しみなく還元していく。