創部3年目の日本航空北海道がV2達成 札幌山の手を攻守で圧倒【全道高校女子バスケ】
インターハイ出場を決めた日本航空北海道の選手たち=撮影・中島聡一朗
■全道高校バスケットボール大会最終日(6月21日、札幌・北海きたえーる)
▽女子決勝 日本航空北海道92-55札幌山の手
3月招待試合では大阪薫英にも勝利
創部3年目の日本航空北海道が決勝で札幌山の手を92-55で下し、2連覇を達成した。攻撃の中心、U18日本代表候補のPF庵原有紗(3年)がチーム最多の27得点とけん引した。今年3月の大阪招待試合では、昨冬のウインターカップ4強の大阪薫英女学院に勝利して優勝するなど、着実に実力をつけてきた。7月27日から岡山県で行われる全国高校総体では、過去最高となる4強入りを目指す。
庵原が27得点12リバウンド
昨年から全国出場枠が「2」から「1」となり、今年からは開催方式がトーナメント制に変更となった。決勝は日本航空北海道が試合開始から圧倒的な得点力を発揮。札幌山の手をどんどん引き離し、大差で勝利した。27得点12リバウンドの〝ダブルダブル〟を達成した庵原は「インターハイに出場して、次の目標に進めるように日々練習してきたので、その成果が出た。インターハイでまずはベスト4」。創部初年度から3年連続出場となる大舞台での快進撃を誓った。
創部元年の準Vから圧倒的な存在へ 「集大成のつもりでやろう」
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勝負の3年目だ。創部1年目から庵原、Cファトゥマタ・カマラ、PG中村泉咲、SG西川葵、SG宇都鈴々奈の現3年生が主力としてプレー。1年目は夏にいきなり全道準優勝してインターハイでは16強入り。それ以降も全国切符のかかる全道大会は、同年冬に準優勝、2年目は夏と冬に連続初優勝。そして今大会で3季連続の優勝を達成し、5季連続の全国切符を獲得した。
矢倉直親監督(63)は「スタートの5人はものすごい成長してくれている。経験値も積んでます。今まではほとんど決勝戦、交代なしでやってきた子たちなので、体力的にも問題ないです。集大成のつもりでやろうねって話をした」。これで札幌山の手には今年2月の新人戦全道大会から公式戦5連勝。わずか2年で道内で圧倒的な存在へと成長した。
全国の強豪校との対戦が自信につながっている。3月の薫英女学院戦では73-71と接戦を制した。矢倉監督は「まさか薫英に勝てると思わなかったんですけど。よく戦ってくれた」。庵原は「初めて大阪薫英と試合をして、上手なチームだったけど、そこで自分たちもどんどんチャレンジして、航空らしいバスケができて優勝できたのかな」。
第1Q、厳しいディフェンスを受けながらもボールをキープする日本航空北海道の庵原(左)
名古屋遠征では岐阜女子と対戦
さらにゴールデンウイークの名古屋遠征では、岐阜女子、福岡大若葉とも対戦。指揮官は「岐阜女子とやれたのが大きかった。ハーフゲームで、最初は1点差で負けた感じで、いけるかと思ったら、2回目、3回目、向こうがアジャストしてきて、1桁差で勝ちきれなかったけど、なんとかやれそうかな」と、手応えをつかんだ。
メンタル面も成長
これまでは、実力はあるが下級生軍団だけにメンタル面で波があった。庵原は「前回のウィンターカップ、19点差まで開いてて、追いついたんですけど、離された場面で弱気になってしまったりして、すごいもったいなかった。悔しかったです。絶対、勝てた試合だったので、勝てる試合を落としてしまうのが自分たちの課題だった。チームでミーティングしたり、自分たちの課題について話した」。いまの精神的な成長が、豊富な運動量を支えている。
ウインターカップは日本一が目標
今度こそ壁をぶち破る。全国大会では初出場のインターハイ16強以降、3大会連続で初戦敗退が続いている。庵原は「ラスト1年。インターハイに出てベスト4が目標なので、勝ち上がれるように頑張りたい。本来の目標がウインターカップ日本一なので、まずはインターハイに出場して勝ち上がらないといけない」。高校生活総決算の冬へ向け、まずは真夏の〝前哨戦〟で上位進出を果たしてみせる。