札幌日大高が連覇に王手 代打・久保&代走・吉田の切り札コンビが決勝点を演出【南北海道大会】
八回1死一塁、代打で安打を放った札幌日大高の久保(中央)と交代する代走の吉田(右)=撮影・松本奈央
■全国高校野球選手権南北海道大会第5日(7月19日、エスコンフィールド北海道)
▽準決勝 札幌大谷2-3札幌日大高
同点の八回にチームを救う救世主
仕事人コンビが、勝利の道筋をつくり上げた。2-2で迎えた八回1死、背番号15の久保友弦(ゆいと)外野手(2年)が代打で登場。「次行くぞと言われていて、最大のパフォーマンスを出せるように準備していました」。左打席からじっくりと打てる球を待った。一度もスイングすることなく、フルカウントとなったが、動じることはなかった。6球目を確実に1スイングで仕留め、右前打で出塁。きっちりと求められた役割を全うした久保はここでお役御免。代走に背番号19の吉田徠杜(らいと)外野手(3年)が送られた。
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八回1死一塁、代走で出場した吉田。盗塁を決めるなど足を生かして決勝ホームを踏んだ
その吉田はけん制を受けながらも、初球にスタートを切って、難なく二塁を陥れた。「行けると思っていた」。一塁コーチとして相手投手の癖を研究していた吉田は、札幌大谷の先発・岩渕英晃投手(3年)の投球フォームをしっかりとインプットし、迷いのない盗塁を生み出した。そして暴投で三塁まで進み、2死三塁から島田柊聖(しゅうと)投手(3年)の適時二塁打で決勝のホームを踏んだ。チームの勝利のために役割を全うしたコンビについて、森本琢朗監督(44)も目を細めた。「ああいう場面で仕事をしてくれた。本当にチームを救う救世主と言い続けてきたので、まさにきょうの試合は救世主になってくれた」。
練習から1打席勝負を意識する久保 ミスから学んできた吉田
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共に代打、代走といった明確な役割を与えられている。久保はこの夏初めてベンチ入りし、ここまで代打で出場した公式戦では2打数2安打と完璧な仕事ぶりだ。切り札としてこれ以上ない存在感を示している。吉田も試合終盤に代走として送られることが多く、難しい役割をこなしている。
そんな2人の事前の準備が、勝負所での働きを後押しする。一振りに懸ける久保は、練習で1打席勝負を強く意識し、好球必打の確率を上げている。代走の吉田も、走塁では高度な状況判断を求められるが、練習ではミスをしても「そのミスからこういう時はこうするべきだったというのを、しっかり反省して次に生かします」。試合で同じ轍は踏まないように、頭と体にたたき込む。
八回1死、代打の札幌日大高・久保が右前打を放つ=撮影・小川泰弘
甲子園出場は通過点
脇役が最高の結果を残し、連覇に王手をかけた。「自分たちの目標は日本一で甲子園は通過点なんですけど、あしたも一戦必勝でやっていけるようにしたいです」(久保)。「自分の役割が与えられているので、徹底的に準備をしてやるだけだと思っています」(吉田)。縁の下の力持ちが、甲子園までの歩みをしっかりとしたものにする。
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