今春就任の札幌新川・宮崎純也監督が男泣き ノータイムリーで2年ぶり代表切符【南大会札幌】
応援スタンドに向かって喜びを爆発させる札幌新川ナイン=撮影・西川薫
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部(6月30日、札幌・モエレ沼公園ほか)
▽Hブロック代表決定戦 とわの森1-3札幌新川

適時打0本で3得点
札幌新川が終盤の逆転で、2年ぶり7度目の南北海道大会出場を決めた。一回に先制を許したが、三回2死一、二塁からの相手失策で同点に。七回は1死一、二塁で主将の満保颯斗二塁手(3年)が放った打球を相手中堅手が処理にもたつく間に二走が生還し、さらに後続がスクイズを成功させて追加点。適時打0本ながら3-1で競り勝った。
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「また明日から一緒に頑張れる」
校歌斉唱の際、ベンチ前で感極まる札幌新川の宮崎監督(中央)と、田口部長(右)
試合後の整列では、今春に指揮官へ就任した宮崎純也監督(39)が男泣き。「夏は負ける怖さよりも、この子たちともう野球ができなくなるなっていう怖さの方が僕は強い。また明日から一緒に頑張れるんだと、それがうれしくてうれしくて。3年生は負けちゃったら昨日の練習が最後だったので、また明日から新川のグランドで52人で練習できてうれしい」。田口正浩部長(59)と一緒に目頭を押さえた。
南大会経験した1年生3人が主力へ 「52名が全力を尽くしてくれた」
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2年前に南北海道大会に出場した際、ベンチに入っていた1年生3人が見事に主力として成長した。1人目は満保主将。52人の部員をまとめ、七回には決勝点につながる中前打。「3年生の中で2名ベンチに入れてない選手がいて『おまえらのために南大会に出るから、メンバー入れ替えまで、努力して待っていてくれ』って。僕が打ったヒットではなく、本当にその2人、プラスアルファ52名が本当に全力を尽くしてくれたことで打たせてもらったヒット」と声を弾ませた。
エース杉原は初の1失点完投勝利
2人目は1年秋からエースを務める杉原遥陽投手だ。2試合連続の先発で、自身初の9回1失点完投。最後の打者を打ち取ると渾身のガッツポーズを見せた。「現実か分からないような感じで。なかなか実感が湧かないで、うれしくて。気持ちで投げていた」。3人目の大水智稀左翼手は不動のリードオフマンだったが、27日の初戦で左ふくらはぎを肉離れして出場はなし。杉原は「大水と同じクラスなので、きょうは大水のために頑張りました」。再び一緒にプレーするまで、負けるわけにはいかなかった。
札幌新川の(左から)大水、満保主将、杉原の3年生トリオ
打撃力向上のため強豪校と練習試合
春は代表決定戦で札幌大谷に敗戦。宮崎監督は「春、全道大会に行けなかったぶん、良いピッチャーとやらないと夏は勝てないと。夏は打てないと勝てないと思っているので、北海さん、北照さんと練習試合をしていただいた。ケチョンケチョンに負けましたけど、自分たちもできるという雰囲気があった。良いピッチャーと練習試合をさせてもらったことで、その後の練習の質が相当変わった」。それからメンバーの目の色が変わったことに気がついた。
自分たちが持ってるものを出せれば
昨秋の新チーム結成後、秋は札幌麻生、春はモエレ沼で破れたが、ようやく札幌円山へ。2年前は、1回戦で函大有斗に1-7で敗戦。満保主将は「粘り強く、どんなに先制点を取られても、油断せずに。本当に一戦一戦が重くなるので、粘り強く、自分たちが持ってるものを出せれば絶対勝てると思っている。甲子園を目指して頑張りたい」。大舞台でもベンチもスタンドも一丸となって、勝利を目指す。
1失点完投した札幌新川のエース杉原(手前左)
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