2年連続突破の札幌大谷 寺町颯太が好相性のモエレ沼公園で3安打3打点【南大会札幌】
3安打3打点と活躍した札幌大谷の寺町=撮影・十島功
■全国高校野球選手権南北海道大会札幌支部予選(6月29日、札幌・モエレ沼公園ほか)
▽Fブロック代表決定戦 札幌大谷11-1札幌稲雲
※五回コールドゲーム
すべて初球打ちの適時打3本
大好きなモエレ沼公園で躍動した。札幌大谷の練習グラウンドから約2キロの位置にある真新しい球場に、寺町颯太内野手(2年)は目を輝かせる。「きれいで開放感がある」。そして、示す結果は言葉よりも雄弁だ。三回無死三塁から左中間へ適時三塁打を放つなど、3打数3安打3打点をマークした。3本とも適時打という勝負強さを見せただけではなく、全て初球を捉えたもの。3スイングで3安打と〝10割〟の打撃を見せ、札幌大谷を2年連続9度目の南大会進出に導いた。
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このモエレ沼公園では春から6試合の公式戦を戦っているが、寺町は通算21打数10安打、打率.476、13打点と相性抜群。「モエレ沼は好きだなという感じがあるので、振りやすいです」。球場に隣接するモエレ山は、オフの時期に下半身強化のために走り込んだ愛着のある場所。いつも以上に力がみなぎるのか、そんなモエレ山の麓で何度も快音を響かせた。
春から始めたコンディション調整の秘密兵器は
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1年春からベンチ入りし、実戦経験を積んできた寺町は2年生ながら、5番の中軸で正遊撃手を担っている。当然、攻守の核としての期待が大きい。甲子園まで残り4試合。ここを戦い抜くコンディション調整も重要な要素となる。昨夏は夏バテ気味で食欲と共に体重も低下し、パワー不足を痛感。今年はその反省を踏まえ、食事量を落とすことなく、その上、週2日ほどのペースでウエートトレーニングに取り組んでいる。練習終了後に個人でジムに行き、午後8時半から約1時間半ほど時間を費やす。
三回、生還して笑顔の札幌大谷の寺町
強く巻いて、一気に剥がすと筋膜も剥がれる
また、フロッシングという新たなコンディショニングを取り入れている。「コンプレフロス」という専用のゴム製バンドを体に巻き付けて一度圧迫し、短時間で解除すると、筋肉の状態などが改善する。寺町は「強く巻いて、一気に剥がすと筋膜も剥がれるし、血流も良くなる。今年の春からやってます」。睡眠時間を8時間以上確保するなど、体調管理も徹底。チームの核という責任感から、細部に至る意識が高くなっている。
舞台は「あんまり良いイメージない」円山へ
南大会では好相性のモエレ沼公園を離れ、舞台を円山に移す。寺町は思わず苦笑いの表情を浮かべた。「円山はあんまり良いイメージがないです」。しかし、この夏で嫌なイメージを払拭する。「去年から(試合に)出ていたので、バッティングでも守備でもチームを引っ張っていけるようにやっていきたいです」。今こそ〝内弁慶〟卒業の時だ―。
四回2死二塁から左前適時打を放った札幌大谷の寺町(右)