高校野球
2025/06/28 21:40 NEW

旭川東の1年生左腕・後藤優弥が5回10失点も強豪相手に示した高い潜在能力【北大会旭川】

旭川実業戦に先発した旭川東の1年生左腕・後藤投手=撮影・十島功

■全国高校野球選手権北北海道大会旭川支部予選(6月28日、旭川スタルヒン)
▽Bブロック代表決定戦 旭川実業10-0旭川東

※五回コールドゲーム

 

初回から打ち砕かれた闘志

 全道トップクラスの圧力に屈した。旭川東の先発マウンドに上がったのは、1年生左腕の後藤優弥投手だった。代表決定戦の抜てきに「絶対に抑えて勝つ」。そう意気揚々と試合に臨んだが、一回からその意気込みは打ち砕かれた。一回1死一塁から旭川実業の3番・西村颯汰外野手(3年)に左中間への2点本塁打を浴びた。

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普段の投球スタイルを貫けず

 3カ月前まで中学生だった後藤が動揺するには、十分すぎる一発だった。130キロ超の直球を投げ込んでも、難なく芯で捉えられる。そんな打者のレベルの高さを目の当たりにし、芽生えた恐怖心は徐々に大きくなっていく。「どうしても打たれるのが怖いというか、ギリギリの球で勝負していかないといけなくなった」。本来は変化球を織り交ぜながら、凡打を積み重ねていく投球スタイルだが、相手の〝圧〟に気づけば投球の幅は狭まっていた。そして、直球中心の単調となったところを、剛柔兼ね備えた旭川実業打線は見逃してくれなかった。

 二回こそ無失点でしのいだものの、三回は3失点、四回には4失点。そして五回にも1失点を喫し、5回10安打10失点(自責7)と、打ち込まれる結果に終わった。後藤は「良いコースに行っても芯に当てられたり、詰まっても内野の間を抜かれたり、まだまだ自分の実力のなさを痛感した」。

中学時代に全国を経験

 旭川大雪ボーイズ出身の後藤は全国大会も経験。道内強豪校からの誘いもあったが、自主性を重んじた野球に惹かれて旭川東へと進学した。そんな魅力的な3年生との野球も終わり、後藤は涙に暮れた。「北北海道(大会)まで3年生と野球をやりたかった気持ちが一番大きい」。高校で初めて臨んだ夏の大会は悔しさいっぱいのものとなった。

難敵と対峙したからこそ見えた景色

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