仙台大・平川蓮 〝道産子対決〟制し侍&プロ入りアピール 北海高監督の父からもらったエールは…
1試合目の第1打席で左前打を放つ平川=撮影・近藤裕介
■6月22日、バッティングパレス相石スタジアムひらつか
プロのスカウトも多数駆けつけた大学日本代表を選ぶ候補合宿2日目は、札幌出身の仙台大・平川蓮外野手(4年、札幌国際情報)が目立ちまくった。22日、紅白戦が2試合行われ、どちらも1番でフル出場。第1試合は2打数2安打1四球、第2試合は道産子対決となった北海学園大の159キロ右腕・工藤泰己(4年、北海)から左前打を放ち、3打数1安打と躍動した。前日の初日と合わせ、ここまで6打数3安打3四球と猛アピールを見せている。
初日、2日目と合わせて6打数3安打3四球
東京六大学や東都大学リーグに所属する首都圏のエリートプレーヤーたちに、全く引けを取らなかった。スイッチヒッターという特徴を存分に生かし、右打席でも左打席でも快音を連発。「気楽に、右も左も両方いけたので、良かったですね。東都とか、(東京)六大とかが結構、注目を浴びますけど、北海道民のプライドがあるので、負けてらんねーっていう感じでやっています」と胸を張った。
仙台大の平川に左前打を許すも1回を無失点に抑えた北海学園大の工藤
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驚きの初体験もあった。第1試合の2打席目、右投手の筑波大・国本(4年)との対戦で、本来の左ではなく右打席に入った。「監督さんたちに、『右対右、立ってよ』って言われて、びっくりして何度も聞き返しました(笑)。本当ですか?って。初めて右対右、立ちました。今まで練習でも立ったことなかったです」。それでもきっちり左前に運び「案外、打てるなって(笑)。一つ、発見になりました」と収穫をつかんだ。
北海学園大の工藤から左前打を放って出塁した仙台大の平川
同じ札幌出身の北海学園大・工藤とは、互いに意識し合う存在だ。札幌国際情報高時代に、北海高の右腕と対戦はなかったが「お互い知っていたので、きょうは(マウンドで)向こうが笑っていて、僕も笑いそうになりました。(安打をマークし)うれしかったです。(試合後に)こすいバッティングするなって言われましたけど(笑)」と、楽しそうに初対決を振り返った。
栗山CBOらプロのスカウト陣から熱視線
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日本ハムの栗山CBO、大渕スカウト部長ら、プロのスカウト陣からも熱視線を注がれていた。目標のNPB入りへ向けても、大事な合宿。父で北海高の監督を務める敦さんからは事前に「自分のできることをやって、それで選ばれなかったらしゃーないし、自分のできることをやれ」と背中を押されていた。
ドラフト候補をチェックする(左から)日本ハム大渕GM補佐兼スカウト部長、遠藤GM補佐兼ベースボールオペレーション統括部長、栗山CBO、木田GM代行
情報収集に余念なし 「僕は結構、聞きに行くタイプ」
合宿中に少しでも成長しようと、気になる選手には積極的に声をかけ、アドバイスをもらいにいった。「僕は結構、聞きに行くタイプです。聞いたり見たりして学んで、いい時間になっています。去年の秋の合宿で(創価大の)立石には聞いたんですけど、左の良いバッターに聞けなかったので、今回は(明大の)小島くんに聞きました。でも時間がなくて聞ききれなかったので、あしたは低めの変化球の拾い方を聞きます」と貪欲だ。
大学日本代表に選出されれば、7月にエスコンフィールド北海道などで行われる日米大学野球に挑む。「エスコン、行きたいです。対アメリカなので、自分のパワーではあんまり勝負ができないかもしれない。選球眼であったり、出塁率を、この合宿から意識付けてやっていこうと思っていたので、それをきのう、きょう発揮できて良かったです」と、手応えはある。
最終23日は「長打打ってアピールしたい」
今合宿は23日が最終日。「まだ長打が出ていない。(左右)両方で長打が打てるのが強みだと思うし、このメンバーの中でも打球速度は上の方。きょうは右で計って、170キロは超えました。まだ立石が計る前でしたけど、その時点ではトップでした。去年は左で170キロは出ている。自分は長打、ホームランも出るバッターかなと思っています。あした(23日)は、長打を打ってアピールしたいです」。最後は豪快に締めくくり、侍入りを勝ち取るつもりだ。
