札幌大谷が7年ぶり4度目V FW遠藤煌太が値千金ヘッドで〝ウノゼロ〟勝利【全道高校サッカー】
7年ぶりの優勝を決めた札幌大谷イレブン=撮影・西川薫
■全道高校サッカー大会最終日(6月18日、旭川・リアルター夢りんご東光スポーツ公園球技場)
▽決勝 札幌大谷1-0北海
北海道からの全国出場枠が「2」から「1」に縮小となって初めて行われた決勝。全国では昨夏と冬の大会で1勝ずつ挙げている札幌大谷が、1-0で北海に競り勝ち、7年ぶり4度目の優勝を果たした。札幌大谷は0-0で迎えた後半23分のコーナーキック(CK)でFW遠藤煌太(3年)が値千金の決勝ヘッドを決めた。2年連続8度目となる全国高校総体(7月26日開幕、福島)では8強入りを目標に戦う。
3度目の対戦も1-0で決着
後半23分、左CKの反対サイドから走り込み、決勝ヘッドを決めた札幌大谷のFW遠藤(右)
今年のこれまでの対戦は今大会の札幌支部準決勝とプリンスリーグ北海道で、1勝1敗。3度目の対戦も〝ウノゼロ〟と、全て1-0の僅差で決着がついた。札幌大谷がセットプレーが得意な北海のお株を奪う見事な決勝ゴールで7年ぶりの頂点に立った。プリンスリーグでは現時点で得点王と得点ランクを独走するFW遠藤だが、今大会はこの決勝点が初得点となった。「狙っていました。(CKは)自分とDF大石蓮斗(3年)が(ニアかファーの)どっちかに行くことで決まっていて、自分はきょう決められると思っていたのでファーに行くって。そしたら良いボールが来た。合わせるだけだった」。左CKの反対サイドから走り込み、ゴール右隅へとたたき込むと、一目散に応援席へ駆け寄った。
今年はガラッとチーム戦術を変更 時速30キロ超える選手がズラリ
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昨年のチームは、U-17日本高校選抜で今季J2・FC今治入りしたMF笹修大(18)を中心にポゼッションサッカーを展開したが、今年のチーム戦術はガラッと変わった。清水隆行監督(50)は「去年みたいにボールを動かすところは、まだまだこれからトレーニングしなければいけないけど、逆に守備のところを含めてフィジカルの強さや、個々の粘り強さとか、大谷ってどうしても攻撃のところがクローズアップされるけど、守備を本当に献身的に最後までやって、今大会無失点。失点しなかったところで、今までの大谷とはちょっと違う色を出せたかな」。一昨年11月にU-16日本代表候補合宿に初招集されたDF大石を中心に、今大会4試合無失点。札幌支部4試合を通しても、わずか1失点と堅守が際立った。
さらに攻守を支えているのが全国トップクラスを誇る走力だ。指揮官は「11人のうち、6人が時速で30キロ超えるんですよ。31キロとか32キロっていうスピードを出す選手が、ツートップと両サイドハーフと両サイドバックにいるので、そこが優位性」。決勝ヘッドを決めた遠藤は「毎回30キロを超えてます。速い時で33キロまでいったことがあります」。鋭いスピードと無尽蔵のスタミナで、ピッチを切り裂いた。
後半23分、決勝点を決めてチームメートと抱き合う札幌大谷のFW遠藤(中央)
プロ入りしたOB笹の活躍を刺激に
チームは大会期間中の休養日だった15日、札幌・大和ハウスプレミストドームで行われた北海道コンサドーレ札幌と今治のJ2リーグ戦を観戦。選手、スタッフら約140人でOB笹の応援に駆けつけた。笹は開幕戦を含めそれまで17試合に出場。この日もベンチ入りはしていたが出場はなかった。それでもMF菊谷輝主将(3年)は「久しぶりに(笹)修大くんと会ったので、すごい懐かしい気持ちと、頑張らなきゃなっていう気持ちになった」。プロの世界で戦う先輩に刺激を受けた。
遠藤は全国優勝と得点王を目指す
目標は全国8強入りだが、遠藤個人はもっと上を見据える。「やるからには優勝を目指して勝ちたいのと、自分的には得点王を目指して頑張りたい」。北の快足集団が、真夏の福島へ万全の準備をして挑む。