北海3連覇 主将不在の危機も3年生が意地見せる 桜井V打&浅水4回無失点【春季全道大会】
大会3連覇を果たし、笑顔の北海ナイン=撮影・十島功
■春季全道高校野球(6月1日、札幌円山)
▽決勝 北海5-4旭川実業

同点スクイズに決勝打!
3年生が導いたV3! 北海が旭川実業との競り合いを制し、14度目の優勝を果たした。五回を終えて4点ビハインドを背負っていた北海だが、六回に3点返すと、七回には3番・桜井悠也内野手(3年)がスクイズを成功させ、同点に追いついた。そして4-4で迎えた九回にも桜井が決勝の左中間への適時打をマーク。投げても3番手の浅水結翔投手(3年)が4回無失点と好投し、チームを勝利に導いた。3年生の活躍で優勝した北海は1962年から65年までに4連覇を達成して以来の3連覇となった。
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最後の打球が中堅手のグラブに収まるのを見届けると、浅水は両拳を突き上げた。中盤までに背負った4点ビハインドをひっくり返してのV3に、平川敦監督(54)は「春は通過点として捉えて、夏に結果を残せるように頑張りたいと思います」と勝負の夏に照準を切り替えた。
スタメン6人が2年生
エースの小野悠真投手(2年)を含めて、6人の2年生がスタメンに名を連ねた。しかし、3年生が主役を譲らなかった。六回、3得点で1点差に詰め寄り、さらに流れを引き寄せたい北海は浅水をマウンドに送った。その浅水は旭川実業の1番からの好打順を、三振、遊ゴロ、三ゴロとわずか6球で料理した。「六回の3者凡退が一番大きかった」と胸を張った左腕は最後までスコアボードにゼロを並べた。
3番手で4回無失点と好投した北海・浅水=撮影・中島聡一朗
そんな3年生左腕の投球に応えたのは同じく3年生の桜井だった。まずは七回1死三塁。フルカウントからのスクイズを成功させ、試合を振り出しに戻すと、同点の九回2死三塁から決勝の適時打を放った。桜井は「抜けてくれて良かった」と安堵の表情を見せた。
準々決勝の東海大札幌高戦でアクシデントが
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3連覇を目指す北海に、アクシデントが襲いかかった。準々決勝の東海大札幌高戦。二回、右翼を守っていた佐藤瞭磨主将(3年)がライン際の打球にダイビングした歳に右肩を亜脱臼し、負傷交代。5月31日の準決勝とこの日の決勝はベンチを外れる事態となった。試合後、平川監督が「キャプテンがいないときにどれだけ3年生が頑張ってチームを引っ張れるか」と話していただけに、主将代行を任された桜井が決勝打を放ち、浅水も好投を見せるなど、3年生の力で勝ち切ったことは夏に向けての収穫にもなった。
九回2死三塁、決勝点となる勝ち越しの適時打を放つ北海・桜井(右)=撮影・西野正史
「夏は3年生の力で優勝して甲子園に行きたい」
指揮官は常々「最後は最終学年の3年生の力が大きいと思う」と口にするように、厳しい夏を勝ち抜くために3年生の力は欠かせない。桜井も「秋から2年生に助けてもらってばかりだったので、3年生でどうにかしたいところで、最後自分が打てて良かった」と自覚は十分。投手陣を支える浅水も「野手も2年生が多い。夏は3年生の力で優勝して甲子園に行きたい」と力を込めた。
嫌なジンクス吹き飛ばす縁起のいいデータが
縁起のいいデータもある。1965年、2015年、23年と前年の秋季大会で準優勝し、春季大会を制した世代は、夏も甲子園まで駒を進めている。春に優勝すると夏は勝てないとささやかれることも多いが、そんな嫌な〝ジンクス〟を払拭してきた偉大な先輩たちに続く。「自分たちの代で一つ北海道大会で優勝することが目標だった。夏も獲って、2年前の甲子園ベスト16を超えたい」と桜井。勝負の夏まで1カ月を切っており、一息つく暇もない。勝負強さを見せた3年生が、夏も甲子園まで先導する。
