【プレーバック】春季全道大会1回戦 士別翔雲2-0北海道栄(5月28日、札幌円山)

士別翔雲がエース・大橋広の完封で春全道7年ぶり勝利
序盤から手に汗握る展開が続いた。北海道栄の先発・日野伸一郎投手(2年)が走者を出しながらも粘りの投球を見せる。一回に2死一、二塁、二回も1死二塁と序盤からピンチを背負うが、相手に得点は許さなかった。三回にも先頭打者の安打で出塁を許したが、後続から併殺を奪うなどして切り抜けた。
NPBスカウトも注目する士別翔雲の最速143キロ右腕・大橋広翔投手(3年)も評判通りの投球を披露する。一回、味方失策などで1死三塁のピンチを背負うが、相手の中軸から連続三振を奪って無失点。その後も威力のある直球を軸に凡打の山を築いていく。五回まで被安打は内野安打の1本のみ、7奪三振と快調なペースでスコアボードにゼロを並べていく。
0-0という投手戦の均衡が破れたのは八回だった。1死から士別翔雲の4番・大塚叶夢(かなむ)捕手(3年)の安打を皮切りに1死一、三塁の好機をつくると、6番・大橋広がセーフティースクイズを敢行。相手選手の判断ミスも絡み、待望の先制点は士別翔雲が手にした。
直後の守りでは、無死一、三塁のピンチで捕手が少し飛び出していた三塁走者をけん制で刺し、その後2死二塁から右前打を浴びたが、右翼・牧寿也外野手(3年)の好返球で生還は許さなかった。流れをつかんだ士別翔雲は九回にも1点を加え、大橋広も5安打完封勝利。エースの力投に野手が一丸となり、春の全道では7年ぶりの勝利を挙げた。北海道栄は終盤で犯した攻守のミスが大きく響く形となった。
■7年ぶりの勝利を挙げた士別翔雲の渡邊雄介監督(43)
「最後もそうですし、チームとして守れた感じがします。きょうは北海道栄さんに胸を借りるつもりで臨んだ試合。いろんなところで課題もあり、収穫もあり、良いゲームだったと思います」
■先制された直後の八回無死一、三塁で牽制死となった北海道栄の松本イアン元輝主将(3年)
「1球目、蝦名がバントを失敗して、蝦名もアップアップだなと思って、少々のピッチャーゴロでも自分が返るっていう気持ちがちょっと強くて、リードしてしまって、アウトになってしまいました」