河野竜生 救援失敗を乗り越えて10ホールド目 傷心の左腕を救ってくれた愛妻の言葉とは

■パ・リーグ7回戦 日本ハム1-2ロッテ(5月18日、ZOZOマリンスタジアム)
昨季は最優秀中継ぎ賞
日本ハムの河野竜生投手(26)が18日、1-1の延長十回に4番手でマウンドに上がり、3者凡退に仕留めた。1死も取れずに降板したマウンドを乗り越え、昨季の最優秀中継ぎに輝いた左腕が今季10ホールド目を挙げた。
1点も与えられない場面。テンポ良く3人で抑え、河野はマウンドで一息ついた。試合後、ここ最近抱いていたさまざまな思いがあふれ出た。「ホッとはしましたね。何か屈辱というか、(14日のオリックス戦で)1アウトも取れずに代わって以来(の登板)だったので。モヤモヤするし、情けない自分が腹立つし、複雑な感情でしたけど、(投手コーチの武田)久さんだったり、加藤コーチが前向きに送り出してくれた。そういうところで何とか期待に応えたいと思っていました」
開幕から今月4日まで11試合無失点
開幕から今月4日の西武戦(エスコン)まで11試合無失点と好投を続けていたが、7日のオリックス戦(京セラ)で今季初失点。14日の同戦(エスコン)では、2点リードの八回から登板し、先頭から2者連続四球を与え、無念の交代となった。チームが逆転負けを喫したこともあり、大きな責任を感じていた。
「やり返したいなって気持ちもあったし、ここ最近、勝っている場面に行ってやられている。チームの流れを悪くしてしまっている。チームの状況が良い中で自分が止めてしまっている。気持ちがすごい複雑でしたね。京セラでも僕(が打たれて)で引き分けになって、そこから連勝が続いてエスコンで連勝を止めた。すごい引っ掛かっていて。たかが1イニングしか行かないので、そこでやられている自分が情けなかった」
「何しに行ったんやろう…」
引き分けを挟んで5連勝中だった14日は、1死も奪えずに降板。実力不足を痛感した。「ヘコみましたよ。アウトも取れない。情けないなって。モーレ(レイエス)が2ラン打って、良い流れなのに試合を壊してしまった。何しに行ったんやろうって。みんなに『そういうときもあるよ』って言われますけど、そんなことしていたらああいう所で投げる意味がない。自分の中で感覚が悪いとしても、そういうのが表に出ない立ち振る舞いをしたい」
心機一転、行こう―。切り替えられたのは、家族のおかげだった。その日、自宅で普段、野球の話をしない夫人に「やられたわー」と打ち明けると、こんな言葉を掛けられた。