大﨑玲央が説く〝声〟の重要性「それを全員ができれば、このチームはもっと強くなる」
経験豊富な大﨑がプレーと声でチームをけん引する=撮影・宮西雄太郎
■5月15日、札幌・白旗山競技場
北海道コンサドーレ札幌のDF大﨑玲央(33)が15日、札幌市内で行われた全体練習に参加した。チームは第16節・富山戦(17日、プレド)へ向けて、フルピッチでの紅白戦を実施。経験豊富な背番号25は、プレーと声でピッチ上の空気を引き締めた。
同じような失点避けるために修正必要
DF陣の大黒柱が3試合ぶりの白星に貢献する。札幌は6日の磐田戦で4失点を喫して大敗するも、前節のいわき戦はPKによる1失点と守備の安定感を取り戻した。
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いわき戦で途中出場した大﨑は「結果にとらわれがちだけど、この数試合を見ると(内容は)良くなっている。チームのやろうとしていること、選手がやろうとしていることは変わらないし、トレーニングや試合では120%で戦えている。あとは同じような失点の仕方を避けるために、ちょっとした隙を修正しないといけない」と現状を分析した。
若いチームは、ときに想像を超える粘り強さを見せ、強豪チームと互角以上の勝負を演じる。その一方でもろさも併せ持ち、ハイパフォーマンスが続かない現実がある。経験豊富な守備のリーダーは、安定感を欠くチームに不足するものを独自の視点で考察する。
「高嶺がうまく統率してくれているけど」
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「選手単体で考えたら、みんな頑張っている。ただ試合中にしんどくなったときは、ゲームをコントロールして我慢しないといけない時間がある。プレッシャーを掛けて上手くいかないなら、今は行かないと誰かが判断しないといけない。高嶺がうまく統率してくれているけど、朋樹だけではなく全員がやらないと。人を動かすことが一番足りないと思います」

一丸で戦うために必要なのは、選手同士のコミュニケーションだ。フィールド上の大﨑は、人一倍大きな声を張り上げることで意思統一を図っている。「大きな歓声がある中、その場その場で伝えるべき事がある。それを全員ができれば、このチームはもっと強くなる。(岩政)大樹さんやコーチ陣がいろいろなことを提示して戦術面の準備をサポートしてくれるけど、ピッチの中にいる選手がもっとやらないといけない」と、胸に抱く責任感を言葉に乗せた。
相次ぐ離脱者 今こそベテランの底力を
守りのキーマンを担った馬場は長期離脱を余儀なくされ、前節のいわき戦で途中交代した荒野も次節の出場が危ぶまれる。宮澤や深井も第11節・大宮戦を最後に実戦から遠ざかっており、長年のキャリアに裏打ちされた大﨑のプレーが今こそ必要とされている。
「ケガ(3月上旬に左ふくらはぎを負傷)をしたときよりも、コンディションは上がっている。途中からでも試合に出たら、与えられた時間で自分のパフォーマンスを出すことに集中したい。そうすれば、おのずとスタートで出るチャンスも回ってくると思っている。自分の役割は分かっています」。チームを鼓舞するベテランが、逆襲の号砲を鳴らす。
