ファイターズ
2025/05/14 13:30

《ハム番24時》5月14日


 13日の試合で勝利に貢献した伏見が、居残りの打撃練習をサポートしてくれた谷内コーチ、鍵谷さんへの感謝を口にしていた。一夜明け、谷内コーチにその時の状況を尋ねると「寅威も目的があってマシンを打ちに来ているわけで。僕は打撃コーチではないですし、それを邪魔する必要はないなと思って見ていました」と教えてくれた。

 「ちょっと投げてくれない?」と言われて打撃投手を務めた。親しい間柄なのに、声をかけられるまで待っていたという。理由があった。「年数を重ねてきた選手はある程度、自分の感覚、やりたいことがあると思うので、そこは尊重すべき」と配慮。ただ「直前に奈良間に変化球ミックスで投げたりしていて。たまにはそういう面白いところに入ってきてもいいよ、と心の準備はしていました」と内心はウエルカムだったそう。

 自らの立場をわきまえ、踏み込みすぎず、そっと寄り添う。それが伏見への気遣いだった。「寅威は特別な存在ですけど、捕手は1人しか試合に出られない。今は田宮と併用になっていて、モチベーションの保ち方とか、難しい中で彼はチームのためにという気持ちで普段から振る舞ってくれている。ただ自分の結果が出なくて、もどかしい状況は、なんとなく分かっていました。どこかで貢献できたらと思っていました」

 率先して球拾いを手伝った鍵谷さんを含め、同級生の絆がある。谷内コーチは最後に友人の目線で「僕らがあと何年やりたいと言ってもできない。渋いキャッチャーなら50歳までやってもいいんじゃないですか。寅威には10年と言わず、体がもつまでやってほしい」と願いを込めた。粋なエールには、親愛の情がたっぷり詰まっていた。

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