何か、縁があるのかもしれないと想像し、練習を終えた北山に聞いた。前回登板は５月５日のオリックス戦（京セラドーム）。チームは敗れたが、８回１失点の好投を見せていた。

　日本時間の同日、米ラスベガスでは井上尚弥がボクシングの世界スーパーバンタム級４団体統一王座防衛戦に臨み、ＴＫＯ勝ちを収めていた。たまたま井上の経歴が目に入り、誕生日が北山と同じ４月１０日だと知った。本人にその話題を振ると「そうみたいですね、今年になって気づきました。僕はまだまだそんなレベルじゃないですけど、すごい選手なので、それ（誕生日）が分かったときはうれしかったですね」と目を輝かせた。

　偶然、２人とも子供の日に戦っていた。世界一のボクサーから刺激を受けることはあるか―と質問すると「ボクシングはそこまで詳しくないです」と断った上で「自分の戦い方についてコメントしている記事を読んだりします。興味深いことを言っているなと思うことがたくさんあって。間合いとか、古武術的な要素も取り入れているんだろうなというのは感じます」と教えてくれた。

　競技は違っても、世界的なトップアスリートの行動や言葉に感銘を受けることがあるようだが、考察がとても深い。そこがまた〝教授〟らしい。