金村尚真が最後まで強気貫き1失点完投勝利 ピンチの場面で出された田宮のサインに「ワクワクしました」
1失点完投で3勝目を飾り、ファンからの祝福に応える金村=撮影・松本奈央
■パ・リーグ6回戦 楽天1-2日本ハム(5月9日、エスコンフィールド北海道)
4月27日のロッテ戦(エスコン)以来、中11日で先発マウンドに立った日本ハムの金村尚真投手(24)が、9回116球の熱投を演じて、1失点完投で今季3勝目をマークした。
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今季の本拠地初勝利
ヒーローインタビューで笑顔を見せる金村(右)。左は石井
1点リードの最終回。1死二、三塁という一打逆転の大ピンチを迎えたが、金村の気持ちは最後まで揺らぐことはなかった。「あの場面は、弱い気持ちで行ったらダメ。『絶対抑えられる』という強い気持ちで行きました」。最後は楽天・村林を141キロのスプリットで三ゴロに打ち取り、ゲームセット。早くも今季3度目となる完投勝利(うち2完封)を成し遂げるとともに、今季4度目の本拠地登板で、待望の〝エスコン1勝〟をゲット。ヒーローインタビューでは「やっぱりホームでの勝利はすごくうれしいです」と、本拠地の大観衆の前で、安堵が入り交じった笑みを浮かべた。
八回の宗山は全球ストレート勝負 「打たれたら、たぶん田宮の…」
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楽天打線を相手に、七回までに投じた球数はわずか85球。散発3安打、無四球に抑えて、二塁を踏ませない圧巻の投球を見せていたが、八回にこの試合最初のピンチを招く。先頭から2者連続で安打を許し、二、三塁とされると1死後、二ゴロの間に1失点。なおも2死三塁の場面で迎えたのが、前の打席でライト前にはじき返されていた宗山。4試合ぶりにバッテリーを組んだ田宮が出した全5球のサインは、すべてがストレートだった。
「その前は真っすぐを打たれていて。田宮も強い気持ちで行かないといけないと感じていたと思いますし、全球同じコース(のサイン)を、ピンチの場面で出すキャッチャーはなかなかいないと思うので。田宮のサインが出たときには僕自身もワクワクしましたし、そこに行かなくて打たれたら、たぶん田宮のせいになっちゃうと思ったので、強気に腕を振って、しっかりコースに投げるという強い気持ちで行きました」。強気を貫き通したバッテリーは、5球で宗山を空振り三振に仕留めて、見事にピンチを脱した。
八回2死三塁、楽天・宗山から三振を奪い、ほえる金村=撮影・宮永春希
中11日の登録抹消期間
6回5失点で敗戦投手となった前回登板後、いったん登録を抹消。再登録までの11日間を休養、そして自分自身を見つめ直す時間に充てた。「ローテが回っているときにはあまりできないことを、いろいろと試してみようと。プレートの踏み位置だったり、ちょっと見え方が悪かったので、最初のセットポジションに入ったときの足の角度だったりを、コーチとも話し合いながら。良い形でこの11日間を有意義に過ごしたというのを、しっかり結果で示さないといけないなと、自分の中で思っていました」。チャレンジの日々への答えを、完投勝利という結果で一発回答してみせた。まだまだ先の長いリーグ優勝への道のりに向けて、背番号24が再び加速を開始した。

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