コンサドーレ
2021/11/28 14:49

札幌本拠地白星締め 今季限りジェイ「札幌のサポーターは世界一」

札幌サポーターが形づくったイングランド国旗に見守られながら、退団のあいさつをするジェイ(撮影・小田岳史)

■J1第37節 札幌3-1柏(27日、札幌ドーム)

北海道コンサドーレ札幌は札幌ドームで柏と対戦し、3―1で快勝。今季ホーム最終戦で6試合ぶりの白星を手にし、10位に浮上した。先発したFWミラン・トゥチッチ(25)が来日初ゴールを含む2得点。後半39分からは退団が決定しているFWジェイ・ボスロイド(39)がピッチに立ち、サポーターに別れを告げた。

後半39分に登場 スタンドにはイングランド国旗

 後半39分。ジェイがピッチに立つと、ゴール裏にはイングランド国旗が浮かび上がった。「試合中は集中していたけど、スピーチの時に気付いた。泣きそうなくらいうれしかった。札幌のサポーターは世界一」。ジェイは2点リードでもなお、貪欲にゴールへ迫った。ラストゲームで、点取り屋の生きざまを示した。
 契約満了となり今季限りで退団。試合後、深夜に日本を発った。「最終的には家族と相談して決める」というものの「引退するつもり」とスパイクを脱ぐ可能性が高い。
 17年夏に加入し、14試合10得点でJ1残留に導いた。以降もペトロビッチ監督の切り札としてゴールを量産。在籍35得点は札幌の外国人選手で歴代最多だ。
 指揮官は「FWとして得点を取る能力、技術を全て兼ね備えている選手。札幌にとって大事な得点を重ねてくれた。素晴らしい選手だった」とねぎらった。
 若き日は問題児とも呼ばれた気の強いストライカー。晩年は若手の成長が何よりの楽しみだった。「みんなの記憶に残るのはゴールだと思うが、一番大事なのは経験ある選手が若い選手にアドバイスして成長させること。この5年で十分できた」と頬を緩ませる。
 「(三好)康児や(鈴木)武蔵、進藤がヨーロッパや日本代表でプレーするようになったのは私の誇り。今は(高嶺)朋樹や金子、(田中)駿汰の活躍を見るのが楽しみ。頑張ってほしい」。
 試合は後継候補のトゥチッチが来日初ゴールを含む2得点。若きスロベニア人FWは「まだこれから。もっとチームにフィットできるように頑張りたい」と声を弾ませた。サポーターに愛された助っ人は赤黒のユニホームを脱いだ。クラブは前へと進み続ける。(石栗賢)

DF西野がクラブ最年少出場

◯…DF西野奨太が後半ロスタイムに出場。17歳183日でJリーグデビューを飾り、MF荒野拓馬(28)が持つ17歳187日のクラブ最年少出場記録を塗り替えた。「夢に見てきた舞台でデビューできて本当にうれしい。これからさらに頑張っていこうという気持ちが強まった」と西野。そして「記録を持った選手として、これから恥じないプレーをしていきたい」とプロとしての決意を新たにした。

試合後セレモニーで故石水氏を表彰

◯…試合後はホーム最終戦セレモニーが行われた。9月26日に77歳で亡くなった石屋製菓の石水勲名誉会長が、秋元克広札幌市長(65)から札幌市長表彰を受けた。「市民、道民の皆さんとコンサドーレを応援できるのは石水会長のお力のおかげ。改めて感謝申し上げたい」と秋元市長。退団するFWジェイ(39)、野々村芳和社長(49)、ミハイロ・ペトロビッチ監督(64)がサポーターへあいさつした。試合前には来季の新ユニホームも発表された。

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