鈴木健矢 2軍戦で好投 ボスの言葉を心にとどめ「自分の中で良い手応えはある」
先発の鈴木はテンポ良く楽天打線を7回1失点に封じた=撮影・宮西雄太郎
■イースタン・リーグ10回戦 楽天2ー4日本ハム(7月7日、帯広の森野球場)
道東のF党を魅了 7回1失点のサブマリン
日本ハムの鈴木健矢投手(26)が7日、帯広の森野球場で行われたイースタン・リーグ楽天戦に先発し、7回1失点と好投した。約1カ月間の2軍生活を経て、北のサブマリンは進化を遂げている。
緩急自在の投球で4イニングを3者凡退
小気味良いテンポの投球で、凡打の山を築き上げた。打たせて取る投球で、七回までに要した球数はわずか84球。得意の緩急で楽天打線を手玉に取り、計4イニングを3者凡退に仕留めた。

これぞ下手投げの真骨頂! 「あえて高めを使って」
この日奪ったアウトの半数以上は、フライによるもの。アンダースロー特有の浮き上がる軌道を生かすための取り組みが、実を結びつつある。
「真っすぐもスライダーも、高めを使って打ち取ることで投球のレパートリーを増やしたい。アンダースローは低めに目付けをされることが多い。あえて高めを使って、高低のゾーンを広く使う。これまでは狙っても真ん中に入って打たれることがあった。精度を高めたら打者の目線をずらせるので、しっかり投げきりたい」

今も心に残る新庄監督のコメント
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首脳陣から与えられた課題とも、真摯に向き合っている。立ち上がりに被弾して5回3失点で敗戦投手となった6月6日の広島戦後、記事を通して目にした新庄監督のコメントを、ずっと心にとどめてきた。
「ボスが『途中からテンポが良くなった。初回から、あれぐらいでいってほしい』と話していたのを見て、ファームに落ちてからずっとテンポを意識してます。ある程度は試合をつくれているし、自分の中で良い手応えはある」
目指すは1軍再昇格 「僕は便利屋でいい」
投球間隔を意図的に短縮した結果、ファーム降格後の先発3試合で計18回を投げ、自責点はわずか2。好投を繰り返しながら、やがて巡ってくるチャンスを待ち続けている。
「先発固定で回してもらう実力がない。かといって中継ぎで七、八回を投げる実力がないということは、両方やらないといけない立場。1軍で使ってもらえるなら、僕は便利屋でいい。(ポジションは)どこでもいいので、とにかく上で投げさせてほしいと思っています」

確かな実績と自信 あとは〝声〟を待つだけ
十分に機は熟している。先発、中継ぎの両方をこなす万能型サブマリンは謙虚に、貪欲に出番へ備えている。