今季初出場の浅間大基 初安打マークも好機で三振…楽しむ気持ちで巻き返す
■パ・リーグ9回戦 日本ハム2-2西武(6月26日、大宮公園)
野球を楽しむ―。日本ハムの浅間大基外野手(28)が今季初めて1軍に昇格し「2番・中堅」で先発出場した。一回にセーフティーバントを決め、今季初打席でいきなり「H」ランプを灯したが、延長十二回1死一、二塁の場面では三振に倒れた。悔しさが残る試合となったが、1軍の舞台で戦ってこそ味わえる空気感だ。白球を追いかける気持ちを取り戻した背番号8が、下降気味のチームを浮上させる。
今季初安打はセーフティーバント
緊張感が漂う第1打席は、一回無死二塁のチャンスで巡ってきた。走者を進めるというサインに対して、三塁線への絶妙なバント安打で応えた。浅間は「バント安打での幕開け? あんまりないっすね」とまずは今季初安打を記録。そして、最大の見せ場は2-2で迎えた延長十二回にやってきた。1死一、二塁の場面で打席に立ったが、西武・本田の前に三振を喫し「いやー、もうダメっすね。全然っすね。キャッチャー(の配球)にうまくやられたなって感じです」と唇をかんだ。それでも「緊張感はファームとはまた違った感じ」と気持ちは自ずと高揚した。
右手首痛で戦線離脱「災難すぎ…」
プロ10年目。昨季手術した左足の不安も払しょくされ、意気揚々と2024年シーズンに突入。オープン戦でも好調ぶりをアピールしていたが、まさかの右手首痛で戦列を離れた。「災難すぎます…」とこぼすなど、リハビリ中は心のモヤモヤが晴れることはなかった。それでも気持ちを立て直してくれたのは、他ならぬ野球だった。リハビリを終え、外で野球ができるようになると、自然に前向きな気持ちになれた。「野球を楽しもう」と必死に白球を追って、バットを振った。「散々しんどい思いをしたので、そこで自分を追い込んでもしんどい」と後ろを振り返ることなく、目の前のプレーを楽しんだ。