コンサドーレ
2024/03/25 17:00

《元赤黒戦士の現在地・上原慎也後編》鍛え上げた武器〝ヘディング〟で決めた幾多の劇的ゴール

2015年11月1日、千葉戦の後半アディショナルタイム6分に決勝ゴールを決めた上原(右)は福森と抱き合う

 現在FC琉球クラブコミュニケーターを務めている上原慎也さん(37)を紹介している『元赤黒戦士の現在地』。全3回の最終回となる後編では、上原さんが生み出した様々な劇的ゴールにスポットを当てる。(以下、敬称略)

リーグ戦通算34得点中6点が終了間際の劇的ゴール

 上原は14年間のプロキャリアでリーグ戦通算34得点を挙げているが、その内訳を紐解くと、ある傾向が浮かび上がってきた。後半40分以降に決めたゴールが計12点(うち札幌時代に6点。以下同)、決勝点となったものが計9点(6点)、そしてその両条件を満たした〝終了間際の決勝ゴール〟が計6点(3点)と、サポーターの記憶に残るような劇的なゴールを多く生み出しているのだ。

 このことについて本人は「出場する状況的に、負けている試合か同点の試合の後半残り15分とか10分で出るのが多かったので」と分析するが、その期待に何度も応え続けてきたからこそ、得点が欲しい場面で頼りにされたと言えるだろう。

実はヘディング苦手でした

 186センチの長身を誇る上原が、すさまじい跳躍力で打点の高いヘディングシュートで相手ゴールのネットを揺らす。当時を知る札幌サポーターにとっては何度も見てきたシーンだが、今回の取材時に本人の口から思わぬ〝告白〟が飛び出した。「僕、ヘディングめっちゃ苦手だったんですよ」。

2012年8日18日の神戸戦 後半29分、上原が同点弾をヘッドで決める

 

石さんがパワープレー要員として使ってくれた

 苦手だったというヘディング。その弱点を鍛え上げるきっかけをつくり、チームの、そして上原自身の大きな武器へと進化させたのが、ルーキーイヤーだった2009年に札幌の監督に就任した石﨑信弘監督(66、元J3八戸監督)だった。「石さん(石﨑)が僕をパワープレー要員として使ってくれたことによってヘディングが強くなって。僕もそこで仕事しなければという思いもあったので練習しましたし、どうにか相手よりも先に触ろうという意識も芽生えました」。

J1でも通用すると思ったゴール

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