コンサドーレ
2023/10/05 19:30

《元赤黒戦士の現在地・岡山一成前編》先輩・吉原宏太さんの活躍を見て札幌のファンに 大分トリニータ編

現在はJ2大分でコーチを務める岡山さん。高校時代から札幌のファンで、当時は15年越しで札幌の一員となった(撮影・工藤友揮)

2011年札幌のJ1昇格に大きく貢献 現在は大分コーチ

 2011年シーズン途中から加入し、その年は先発出場1試合を含む計5試合で127分間プレーして無得点。この数字だけを見てしまうと、決して目立つものは無い。だが、当時を知る北海道コンサドーレ札幌のファンやサポーターならば、この年に成し遂げたJ1昇格に、この選手が大きく貢献したことを決して忘れてはないだろう。今回は現在、J2大分トリニータでコーチを務めている岡山一成さん(45)を紹介する。前編では、J1昇格に向けての正念場に自らの経験を還元している現況、そしてプロ入り前に抱いていた意外な札幌への思いまで、大いに話してくれた。(以下、敬称略)

奈良クラブで現役引退し 指導者の道へ

 柏時代に選手と強化部スタッフの間柄だった大分・下平隆宏監督(51)から誘いを受けた岡山は、22年に同クラブのコーチに就任した。札幌を退団した12年以降は、奈良クラブを最後に現役を引退。指導者となり、大学やJFL、地域リーグでコーチや監督を務めた

J1昇格でチームに関わるみんなの人生が変わる

 「Jリーグに10年ぶりに戻って来て、本当に自分も必死でやっています。今の大分でJ1に上がれるかどうかで僕だけじゃなくて選手、スタッフ、関わっている人みんなの人生が変わるというのが、やっぱり『昇格』という重みなので。本当に昇格したい」。10月5日時点で大分はJ2で9位に位置している。昇格プレーオフ圏内の6位までの勝ち点差は2。残り5試合となったリーグ戦、そしてその先の戦いに向けて〝昇格請負人〟は自らの持てる力全てをチームへと還元していく。

これまで4度の昇格に立ち会い 札幌での経験も現役選手たちへ還元

 現役時代には数々のクラブを渡り歩き、4度のJ1昇格を経験した。昇格にはチーム一丸となることの重要さを誰よりも感じている。選手に話す機会があるときは、「コーチの視点というよりは元選手として、昇格したときの経験をよく話しています。そのときに言うのは、僕も4回昇格している中で、全部が全部、試合に出ていたわけではないということ。例えば札幌の時なんかは、そんなに出ていなくても、本当にみんなで心を一つにしようと思っていた。そういうのが必ず力になって昇格できたんだと。誰一人欠けることなく、みんながやったからこそ昇格できた」と語りかけたという。

大分では札幌での経験も話すという岡山コーチ(中央)

 

昇格したチームにいたことは一つの勲章

 さらに、昇格したことによって、その後に試合に出たり出られなかったり、ケガをしたり、様々なことが起きたとしても、「昇格をするチームにいたというのは、必ず一つの勲章になる。それがやはり巡り巡って、僕もこの大分で昇格のために力を貸してくれと求められた」と、そのときに必死に取り組んだことは、必ず次につながっていくということも説いた。

札幌を意識し始めたのは 初芝橋本高時代の先輩がいたから

 岡山が札幌へ加入したのは昇格を決めた11年だったが、実はそれよりずっと以前から札幌というチームのことを意識していた。そのきっかけとなったのが、初芝橋本高時代の一つ上の先輩で、札幌が誕生した1996年に高卒で加入した吉原宏太(45)の存在だ。

選手権で得点王となり 一躍、時の人となった吉原宏太

 「(当時の吉原は)プロにどこも入るところが無い中で、選手権で活躍(7ゴールで得点王)して。札幌もそのときに東芝からコンサドーレに変わって。(最初は)Jリーグではないところで自分がそういうチームを強くすると言っていた。僕が高校2年で、3年の吉原宏太さんっていう誰にも知られてないくらいの無名の存在だった人が、あの選手権で一躍、時の人になった」。

札幌時代のFW吉原宏太

 

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