ファイターズ
2024/03/15 17:30

〝さちとら〟コラボメニューも! エスコン「選手グルメ」の誕生秘話に迫る 

3月12日のオープン戦から今季の「選手グルメ」第1弾として約70品目が登場した

飲食担当の安井氏に聞く

 日本ハムの本拠地・エスコンフィールド北海道では、各選手をモチーフにした「選手グルメ」の本格販売がスタート。〝さちとら〟こと山崎福也投手(31)、伏見寅威捕手(33)のコンビメニューなど、工夫を凝らした見た目も華やかな商品が並んでいる。昨季からさらにパワーアップを遂げた「えふめし」誕生の裏側とは―。ファイターズスポーツ&エンターテイメントで飲食業を担当する安井玲緒直氏に話を聞いた。

昨年から倍増し第1弾は約70品

 12日の広島戦から2024年シーズン第1弾として登場した「選手グルメ」はおよそ70品目。今季から新たに約30品も増えた。今年3月に開業2年目を迎えたエスコンフィールド北海道のコンセプトは、「世界がまだ見ぬボールパーク」。札幌ドーム時代には手がけていなかった飲食事業でも「世界一」を目指し、日々進化を続けている。

球団初のスタグルのため白羽の矢

 野球観戦の楽しみの一つといえばグルメだが、球団にとって初めてのスタジアム飲食。開業時にその道のプロとして白羽の矢が立ったのが、ヤクルトの本拠地「明治神宮野球場」で12年ほど飲食を担当していた安井氏だった。神宮の名物グルメとなった唐揚げ『じんカラ』、レモンサワー『じんレモ』を生み出し、数々の選手プロデュースグルメに関わってきた。

選手のことを知ってもらいたい

 安井氏は「ここにしかないオンリーワンのものを作るのが選手グルメ。まさに思い出の品。野球が大好きなファンに選手のことを知ってもらいたいというのがコンセプトです」と思いを語る。メニューを決める会議では「ひも付けて、ストーリーを付けてグルメを作る。ただ、名前を付けるだけじゃ面白くない。ふざけているように見えて、本気で考えています」。

 まずは以下に挙げたポイントを踏まえ、4~5人で意見を出し合う。

・ダジャレ、しりとり 
・出身地
・ニックネーム
・実家で何かやっている
・本人のイメージ、好きな物

 企画会議にはこんなルールもある。「否定をしてはいけない。言ったら絶対にいいね、すごいと言う。そうすると積極的な会議になるんです」。複数の案から絞り込み、飲食店と交渉。メニュー名と内容が決まったら、選手たちに伝える。

球団職員の谷口氏も協力

 「選手も快く写真撮影にも応じてくれます。普段かっこいい姿を見せている選手にオフの顔を見せてほしい。それがコンセプトです。ポーズも僕たちが、これを撮ってくださいとお願いしています」。沖縄キャンプで行われた宣材写真の撮影には、21年に現役引退し、現在は球団職員の谷口雄也氏が協力してくれた。選手との距離感が近い谷口氏が立ち会い、自然で柔らかい表情を引き出した。

宣材写真の撮影に谷口氏(右)も協力©H.N.F.

 

福寅マンゴーオレンジパインけずり

 新メニューの中で、特に注目を集めているのがオリックスからFA加入した山崎のグルメだ。〝さちとら〟コンビの「福寅マンゴーオレンジパインけずり」はすでに人気沸騰中。2人がハートをつくっているキャッチーな商品POPの撮影時には、谷口氏が伏見役を務めてポーズの角度などを調整した。

©H.N.F.

 

君にサチあれ! 親子でドン!

 父・章弘さんも日本ハムOBという思いが込められている「君にサチあれ! 親子でドン!」は、谷口氏がイケメン左腕に「上目遣い」をリクエスト。インパクト大でキュートなデザインとなっている。

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玉勝丼(TKD)

 今シーズンの選手グルメ第1弾は、昨年10月から動き出し、今年2月に完成した。新作30品で安井氏の〝推しメニュー〟は、玉井大翔投手の「玉勝丼(TKD)」。卵かけご飯(TKG)をモチーフにしており、店頭のPOPは「ポーズがいいんです」と道産子右腕が満面の笑みで人文字をつくっている。

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マヨわず振り抜け! KANIKAMABAT.AGE

 一方で「大変だったのは上川畑選手。どうやって名前を付けようと、店がマヨネーズをかけたいというので、マヨわず振り抜け! KANIKAMABAT.AGEにしました」。他より長いメニュー名は、試行錯誤を重ねた証しでもある。

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冷やち(谷内)担々麺

 2018年までヤクルトでプレーした谷内亮太内野守備走塁コーチとはこんな縁もあった。「神宮でも谷内さんの冷やち(谷内)うどん、冷やち担々麺を作っていました。ここでも受け継がれています。谷内さんも覚えてくれていて、喜んでくれて」。昨季限りで現役引退したが、今季も「冷やち(谷内)担々麺」は選手グルメとして継続することになった。

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カトーショコラ、スタミナまんちゅうカレー、ゆあビームポテト

 昨シーズンは、加藤貴之投手の「カトーショコラ」が選手グルメで人気ナンバーワンの座をゲット。清宮幸太郎内野手のラーメン「幸せ盛り」や、テレビ番組の球場飯ランキングで2位になった万波中正外野手の「スタミナまんちゅうカレー」も好評だった。今季の新メニューでは、かわいいキャラが話題となっている田宮裕涼捕手の「ゆあビームポテト~明太チーズ~」あたりも親しまれそうだ。

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夏には第2弾も登場予定

 選手の名前を冠したメニューは、主力として認められた証拠。安井氏は「選手の負担にはさせたくない。(自らグルメを)出してください! というふうになってほしいですね」と願う。夏には第2弾も登場予定。エスコンフィールド北海道に訪れた際には、担当者の熱い思いが詰まったグルメを堪能してみてはー。

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