高校野球
2024/03/16 16:30

【北海14度目の春】④2011年大会 平川監督に初勝利をプレゼントしたエース玉熊将一さん

社会人野球の明治安田生命を引退後、チームで分析担当のアナライザーとして携わる玉熊さん=本人提供

 第96回 選抜高校野球大会が3月18日に阪神甲子園球場で開幕する。北海道から昨秋の全道王者・北海と21世紀枠で別海が初出場する。北海は1963年大会で北海道勢最高成績の準優勝を収めるなど、道勢最多14度目の出場を誇る。歴代OBから甲子園開業100周年の節目に出場する後輩たちへのエールを紹介する。

2年生エースとして48年ぶり8強の原動力に

 2011年の第83回大会で、2年生エースとして48年ぶり8強入りの原動力となった玉熊将一さん(29、明治安田生命)。大会直前の3月11日に東日本大震災が起き、開催が危ぶまれる中、1回戦の創志学園(岡山)戦で10K、1失点の完投勝利で、同校21世紀初勝利と平川敦監督(52)の甲子園初勝利に大きく貢献した。13年ぶりの選抜甲子園勝利を目指す後輩へ「自分たちの時よりは、数段レベルも高くなってる」と快進撃を期待する。

2011年3月23日、選抜甲子園1回戦、北海×創志学園で10Kを奪った玉熊

 

直前に東日本大震災、開催も危ぶまれた

 震災前日の3月10日に遠征先の岐阜から帰道。11日は同校で壮行会が行われ、午後から室内練習場で練習をしていたが急きょ教室に全員集合の指示。そこでナインの目に飛び込んできたのは震災のニュース映像だった。13日の出発は延期。大阪で行われた組み合わせ抽選には最少人数のみの参加となった。北海は開会式当日の第3試合だったが、入場行進は中止になりブラスバンドの応援も自粛。「本当にできるのかなって。軒並み大会が中止になってて。高校野球もなくなるんじゃないかって流れだったけど、やるって決まってからは気持ちを切り替えてやった」と目の前の試合に集中した。

2011年3月11日、北海高で行われた壮行式

 

主砲・川越の決勝アーチで1回戦突破

あわせて読みたい