ファイターズ
2021/11/04 15:09

稲葉GM国頭で熱血指導!前代未聞の打撃コーチ兼任!

清宮(右)に対し、身ぶり手ぶりを交えて熱心にアドバイスする稲葉新GM(撮影・榎本真之)

 “打撃コーチ兼任”だ。日本ハムの秋季キャンプが3日、沖縄・国頭村で始まり、就任したばかりの稲葉篤紀GM(49)が初日から選手の質問に答える形で熱血指導に乗り出した。トレーニング用のウエア、シューズを身につけた新GMは、ノックバットを手に身ぶり手ぶりを交えて真剣にアドバイス。「左打者を育ててほしい」という新庄剛志新監督(49)の指令に従い、チーム強化へ動きだした。

 既存の枠にとらわれない。稲葉GMに、背広組とユニホーム組の境界はなかった。吉村統括本部長の許可を得て、動きやすい服装でグラウンドに登場。「僕は汗かき。スーツを着ていると、びちゃびちゃになってしまう」と冗談を交えつつ「コーチではないですが、アドバイスをできるように」と選手に寄り添うスタイルを選んだ。
 これまで、チーム編成の根幹を担うGMは原則的に、現場の指導にはタッチしてこなかった。ただ、稲葉氏には選手、代表監督として圧倒的な実績がある。実際、主にメッセージアプリのLINEで連絡を取り合っている新庄監督から左打者の育成を頼まれていた。
 キャンプ初日から打撃練習を入念に観察し、コーチと相談しながら、言葉をかけた。左打者では清宮、五十幡らに助言を送り、右打者の野村や渡辺も指導した。役職を考えれば、異例の立ち居振る舞いだが「GMとしてやらなければいけないことはたくさんありますけど、少しでも手助けできれば。求められたことに応えようと思いますし、こんなGMがいても、いいのではないでしょうか」と笑い飛ばした。
 今季、1軍に昇格できなかった清宮はスイングを始動するときのトップの位置が安定せず、相談するような形で質問した。抱えていた悩みに共感してもらったそうで「気になるところなので、どうなのかなと思っていたら、同じように感じてくださっていた」と表情を緩めた。
 また、主砲候補の野村も物おじせず、現役当時の練習法や打撃の感覚について疑問をぶつけた。内角を得意とする共通点もあり、丁寧な答えが返ってきた。「すごいシンプルというか。僕が打撃を難しく考えていたのかなと、気づきがありました。分かりやすく、ポイントを絞って教えてもらいました」と感謝した。
 いよいよ、新体制が本格始動する。すでに、トップ2人の共通認識として、方向性は定まっている。「外国人を含めて補強も大事ですけど、まずは個を伸ばす。若い選手を育てたい」。再建を託された稲葉GMは確固たる信念を貫き、チームを強くする。

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