ファイターズ
2023/11/06 16:00

《鶴岡慎也のツルのひと声》特別編 アイツの〇〇はスゴかった 名捕手が語るあのピッチャー、あの魔球

記憶に刻まれた豪腕 ウイニングショット

 穏やかな語り口と鋭い観察眼で、評論家としても好評の鶴岡さん。現役時代は日本ハムで通算15年、ソフトバンクで4シーズン活躍した。コーチ経験もあり、今春のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)ではブルペン捕手として侍ジャパンに帯同。世界一奪取に大きく貢献した。多くの名投手が投げ込んできた白球をミットに収めてきた扇の要。印象に残る投手、ウイニングショットを振り返った。

気持ちの強さは抜群 投手コーチに就任した武田久

 プロといっても、やはりメンタル。強じんな精神力がモノを言う。そういう意味では、この人の右に出る者はいない。日本ハムの投手コーチに就任した武田久さん。あの小柄な体でセットアッパー、クローザーを長く務め、タフなシーンでマウンドに立ち続けた。当然、ボールは一級品でしたが、群を抜くのが気持ちの強さです。

打たれた時の一言に表れる潔さ

 年齢は私の3つ上ですが、ドラフト同期で互いに社会人上がり。信頼関係が構築されていたという大前提があったにせよ、たまに痛打されると、決まって放つフレーズがあった。「打たれたのはリードしているおまえの責任」。なかなか言えないですよね(笑)。でも、抑えても喜びすぎず、打たれても落ち込みすぎない。シビアな場面での登板が続くポジション。これこそが大事。気持ちの浮き沈みがあっては務まらない役回り。私もたまに言い返しましたけどね。「あんなところで、あんな逆球を投げたら、打たれますよ」って(笑)

「さすがにビビった」清原への死球

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