高校野球
2023/10/21 12:00

【プレーバック】秋季全道高校野球大会2回戦 知内4-3札幌第一(10月21日、札幌ドーム)

九回2死二塁、サヨナラ打を放った知内・渡邊(背番号6)を笑顔で迎えるナイン(撮影・北波智史)

三度追いついた知内が渡邊のサヨナラ打で逆転勝利

 2年ぶり出場の知内が、九回劇的サヨナラ勝利で札幌第一を下し、8強入りを果たした。

 知内の先発はエース左腕の新井田匠投手(2年)。一回、先頭に安打を許し、1死二塁といきなりピンチを迎えたが、後続を2者連続三振に打ち取り切り抜けた。

 札幌第一の先発は1年生エースの半田悠投手。一回は3者凡退で好発進した。

 先制は札幌第一。三回2死から3番・髙橋七翔捕手(2年)の中前打、続く主砲・樋口優弥一塁手(1年)の右翼越え二塁打で一走の髙橋が一気に生還した。

 知内もすぐに反撃した。その裏、先頭の新井田が右中間を深々と破る三塁打。続く9番・渡邉逢人遊撃手(1年)が2ボールからスクイズを三塁線へきっちりと転がし、同点に追い付いた。

 中盤の五回。再び札幌第一が先行した。四球と犠打で1死二塁。続く樋口の右中間への浅い飛球を、右翼手と中堅手が落下地点で重なりボールはそのまま転々。その間に二走が生還し、勝ち越した。

 知内は1点を追う八回。1番・中村新中堅手(2年)の中前打で5イニングぶりに先頭打者が出塁。続く長谷川煌晟左翼手(2年)の1球目で一走・中村が盗塁。2球目に長谷川が犠打を一発で決め、1死三塁。ここで、3番・湊皇凱三塁手(2年)の二ゴロを相手二塁手がファンブルする間に、三走・中村が生還して再び同点に追い付いた。

 2-2で突入した九回の攻防にドラマが待っていた。札幌第一は先頭の7番・相馬大輝左翼手(2年)が左翼線への二塁打で好機をつくると、8番・半田の捕手前への犠打を知内・米山功起捕手(2年)が三塁へ悪送球。二走・相馬が一気に生還して再び勝ち越した。

 1点を追いかける知内はその裏、1死から6番・伊藤悠斗二塁手(2年)の左中間を破る三塁打と後続の暴投で同点。2死二塁からは9番・渡邉が右翼線に落ちるサヨナラ打を放って勝負を決した。


■3年ぶりに初戦を突破して8強入りした知内・吉川英昭監督(47)
「3年生がちょっと早く負けてしまったので、負けたこと自体は良くないことだとは思うんですけど、起きてることが全部ベストだという考え方でやっている。この夏の3年生の負けもベスト、それがあったから今日があるのかな」

九回にサヨナラ安打を放った渡邉逢人遊撃手(1年)
「気持ちで打ってやろうって(打席に)行きました。来た球を強く叩くイメージで。まっすぐを待ってました。支部大会の決勝の時も、同点打を打っていて、それよりも良い気持ちでかえって来られた」

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