高校野球
2023/10/19 23:00

別海が全道初勝利 中道航太郎主将が劇的逆転サヨナラ弾【秋季全道高校野球】

九回無死一塁、別海・中道が逆転サヨナラ本塁打を放つ(撮影・伊丹恒)

■秋季北海道高校野球大会第2日(10月19日、札幌ドーム)
▽2回戦 別海4-3苫小牧中央

4年ぶり全道の舞台へ

 劇的幕切れで歴史を作った。4年ぶり出場の別海が1点ビハインドの九回に中道航太郎捕手(2年)が、大会第1号となる逆転サヨナラ2ランで苫小牧中央を撃破した。1年秋から主砲を担ってきたが、調子を落として釧根支部2回戦から7番に降格していた元主砲の一発で、創部46年目で3季通じて初の北海道大会勝利を札幌ドームで果たした。

「柵を越えたのが見えた瞬間に、ちょっとやったー!」

 頼れる主将が一振りで決めた。中道が札幌ドームに描いた大きな放物線が左翼席最前列に飛び込んだ。「ストレートだったんですけど、コースはあんまり覚えてなくて。無我夢中。外野の頭を越えてくれたらいいなって感触でした。柵を越えたのが見えた瞬間に、ちょっとやったー!」と、両手を何度も空高く突き上げ仲間が待つ本塁に飛び込んだ。
 

九回無死一塁、サヨナラ本塁打を放ち、喜びを爆発させて本塁を踏む別海・中道(左)

 

主将就任と同時に調子落とし7番降格

 1年秋から主砲を務めてきたが、主将就任と同じくして調子を落とし秋の支部2回戦から7番に降格した。「自分の悪い癖ってのが出てて、突っ込んじゃったら打てなくなっちゃって。自分のバッティング、ライナーのバッティングができなかったので。呼び込めなくて、ちょっと前で弾いちゃっていた。自分の中でストレスを感じてないつもりだったんですけど、どっかで感じていたのかな」。7月下旬から4泊5日の紋別合宿では酷暑の中過酷なメニューを消化。精神的にも鍛えられ「それを乗り切ったことで秋に釧根支部で優勝して、この1回戦に勝ったと思います」と胸を張った。

過去3回の北海道大会は全てコールド負け

 2000年秋に全道大会に初出場。元武修館監督の島影隆啓監督(41)が2016年に就任。これまで秋は2度、夏は1度、全てコールド負け。「もう8年長かった。なんで勝てないんだろうってずっと苦しんでた」。この試合も何度も苦しい場面があったが、元4番の一振りで負の歴史に終止符を打った。整列が終わってスタンドを見上げると、うれしい光景が島影監督の目に飛び込んできた。「父兄もいっぱい来てくれて、OBがすごいいたんですよ。あいさつして上を見たらOBがいっぱい来てくれて。この辺にいるOBとか、学校休んできてくれたりとか、仕事休んできてくれたり。本当に『あー良かったなって、やっと勝ったとこ見せられたな』って、ちょっとこみ上げてきましたね」と声を震わせた。

九回無死一塁、監督から「打たすぞ」、ベンチ全員が「行きましょう」

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