高校野球
2023/10/05 19:30

駒大苫小牧 スクイズ攻勢でライバル北海道栄に逆転勝利!【秋季大会室蘭支部】

四回1死二、三塁からスクイズを決め、ガッツポーズする駒大苫小牧の茶木外野手(撮影・十島功)

■秋季全道高校野球室蘭支部(10月5日、苫小牧・とましんスタジアム)
▽Aブロック準決勝 駒大苫小牧4-2北海道栄

9番・茶木が2ランスクイズ成功

 手堅く得点を積み重ね、ライバルに競り勝った。1-2の四回、駒大苫小牧の9番・茶木吏道外野手(2年)が2ランスクイズを決めて逆転に成功すると、続く五回にも先発した大原虎柴投手(2年)のスクイズで着実に加点した。守っては悪天候の中で無失策、エース・大槌祐希投手(2年)が復帰登板で4回無失点の好投を見せ、今夏の南北海道大会準Vの相手を退けた。

佐々木監督「サインではない」二走の小林主将の好判断を称える

 迷いはなかった。1点ビハインドの四回1死二、三塁と一打同点の好機を迎えると、打席の茶木は初球からスクイズを敢行。外角低めのボール球で難易度の高い犠打となったが、膝を折り曲げながら何とか食らいつき捕手前に転がした。一塁へ転送されている間に、二走の小林航太郎主将(2年)も躊躇なく三塁を蹴り一気に生還し逆転に成功した。佐々木孝介監督(36)は「(2ランスクイズの)サインではないです。キャプテンが積極的にやってくれた」と小林主将の好走塁を称えた。
 

四回1死二、三塁からスクイズを決める駒大苫小牧の茶木外野手
四回1死二、三塁からスクイズで一気に生還した二走の駒大苫小牧の小林遊撃手(奥)

 

女子野球部監督の三男「思い切ってやれ」の期待に応えた

 スクイズを決めた茶木も自分の役割をしっかりと認識している。「自分の仕事はバントとかで送って上位につなげること。勝つために上位に回すことが一番大事」と、チームの勝利を最優先に自らの欲を〝排除〟した。打線の歯車となるために、日頃の練習から犠打練習に時間を費やす。多いときでは打撃練習を全て犠打に費やすこともあるそう。同高女子野球部の茶木圭介監督(45)の三男。この日の試合前には「緊張することなく思い切ってやれ」と言葉を掛けられ、その期待に応えてみせた。

大会前の犠打講座の効果てきめん

 全4得点のうち3得点をスクイズで挙げた。大会前に開いた〝犠打講座〟の効果はてきめんだった。駒大苫小牧OBの加賀美亮氏、佐々木監督の駒大時代の1学年上の先輩、榊原浩司氏の2人を招いた。加賀美氏は右打者、榊原氏は左打者を指導した。「外角と内角のバットの角度や出し方を教えてもらって、すごくボールが見やすくなりました」(茶木)。確実性が増した実感を口にする。

エース大槌が復活登板4回無失点

 2点リードの六回には背番号1の大槌が登板。負傷で戦列を離れていたことから試合での登板は約1カ月ぶりだったが、直球は140キロ超を記録する力強さがあった。久しぶりの登板で5四死球。そのうち4個が死球と荒れたこともあり、佐々木監督は「相手に申し訳ないことをした」と謝罪した上で、「もっとスピードは出る」と上積みを確信している。夏は南北海道大会ベスト4で敗退。リベンジを期す秋、まずは鵡川との代表決定戦に挑む。
 

六回から登板し4回無失点の好投を見せた駒大苫小牧の大槌投手

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