芸能文化
2023/10/04 19:30

【連載コラム】マシンガンズ西堀のそぞろ歩き① 〝大看板〟が無くなり新たなネタ作りに奮闘中

ついにマシンガンズ西堀の連載コラムがスタート! 何を語るかは本人次第。ざっくばらんにいろんなワードが飛び交います!(撮影・小田岳史)

月1連載がスタート 内容は果てしなく自由 さて何が飛び出すか…?!

 お笑いコンビ「マシンガンズ」の西堀亮(49)の連載コラム「マシンガンズ西堀のそぞろ歩き」が今月からスタートします。月1回のペースで自由に語ってもらいます。ミニコーナー【今月の西堀さんぽ】では、日頃歩いている散歩道を撮影した本人の提供写真を紹介します。

きょう10月4日は49歳の誕生日

 マシンガンズの西堀亮です! 今月から月1回のペースで「道新スポーツデジタル」で連載コラムを始めることになりました。よろしくお願いします! そして私事ですが、本日10月4日に49歳となりました。笑っちゃいますね。もう立派なおじさんです。「サザエさん」の波平さんが54歳ですよ。そう考えたら恐ろしいですよね。

 30歳とか40歳の節目のときは、もっと大人だと思ってました。自分自身がそういう年齢になってみると…、でも周りのみんなもちゃんとはしてないか!(笑い)。当時はすごい大人だと思っていたのにね。体力的にも「衰え」はあんまり感じない方だったんですが、やっぱり来ましたね。油物を避けたりとか、お酒が抜けづらくなったりとか。お酒は次の日に仕事があるとセーブしますけど、一日の終わりのルールになっちゃってます。家に帰って、風呂入って、(ビール缶を開ける)プシュっていう音を聞かないと終われないんですよね。

突然の「THE SECOND」準優勝

 「THE SECOND」で準優勝できて、48歳で良い波が初めて来ました。悪い意味じゃなくて、アクシデントみたいなものだと思っています。それまで「売れるぞ、売れるぞ」と言われていたわけでもないですし、突然降って湧いたようなことなので、今の心境としてはラッキーがあったなって感じですね(笑い)。正直、この後のこともそこまでシリアスには考えていなくて、元々ゼロだったっていう気持ちがどっかにあるんですよ。

忙しいときは一日に新潟、東京、高知と渡り歩くことも

 一時期はアホみたいに忙しかったんですけど、ちょっと落ち着いてきました。9月16日にラジオ「オールナイトニッポン0(ZERO)」(ニッポン放送)を担当したんですけど、その日がすごかったです。昼間に新潟の生放送に行って、帰ってきて「オールナイトニッポン0」をやって、そのまま羽田空港に行って高知県に飛びました。眠いのを通り越して、ずっと起きてましたね。

黄色い声援

 おかげさまでファンも増えました。特に女性のファンが増えました。黄色い声援に近いときもあります。ライブとかをやっても、ウェルカムを感じます。高知で仕事があったときはファンの方が高知に先に入っていて、お土産の鰹のおつまみとかを頂きました。ありがとうございました! 結構、東京からも来てくれるんです。でもそれって俺たちを使って観光してますよね(笑い)。例えば「あの後どうしたの?」って聞いたら、「レンタカー借りて、みんなで動物園に行った」とか、楽しい交流の場になっているじゃないですか。俺たちよりも楽しそうなんですよ。

ノンフィクション「芸人という病」を9月21日に発売

 9月21日に「芸人という病」(双葉社)というノンフィクションの書籍を発売しました。対談集というか、インタビュー形式でやったんですけど、めちゃめちゃ面白いと思います! 皆さんが目にするのは売れている芸人だと思うので、売れていない芸人の実像ってあんまり分からなかったと思うんです。ただ、売れてないんだけど、みんな芸人をやっていることは「楽しい」って言うんですよ。だからお金が無くても続けてしまうのは、「それはもう病気なんじゃないか?」っていう本です。人から見たら地獄みたいな暮らしをしてますけど、本人たちは割とあっけらかんとしています。ぜひ、手に取ってみてください!

高校時代は石狩南バレー部主将 学園祭ではネタ披露も

 北海道にいた頃は学生時代のイメージしかないんですよね。高校時代はバレーボール部のキャプテンをやったりしていたので、人気者でした。田舎の高校の人気者って感じだったと思います。学園祭でネタをやったりもしてました。高校時代から芸人になることを考えていて、お笑いは若くないとできないと思っていたので、それが早くに始めた一番の理由です。今やらないと自分は一生やらないんだろうなっていうぐらいの気持ちで始めました。

全国から集まってくる猛者たち

 それで東京に乗り込むわけですよ。自分が北海道代表みたいなつもりでいました。でもやっぱり強豪だらけです、東京は。全国では自分自身のことを面白いって思っている人の熱さがすさまじいですね、その熱量たるや。北海道の芸人だと、タカトシさんだったり、錦鯉の長谷川さんとか、特別な思いはないけど、何となくイントネーションがなまっているなと思いながらいつも接してます。これは道産子以外に言っても全然分からないって言いますね。北海道の人を見ると(極楽とんぼの)加藤さんもそうだし、やっぱり独特の道産子なまりが出ますよね。

錦鯉の「M-1」優勝で感じた「焦り」

 錦鯉の長谷川さんは付き合いが長いです。錦鯉がブレークする前は、ライブ終わりとかによく汚い居酒屋で飲んでました。まさか「M-1」で優勝して、こんな風になるなんて…。でも、錦鯉が頑張ったから周りの芸人も焦ったというか、「年齢のせいにできないぞ」っていう空気は流れました。

自分たちは弱者ではなくなってしまった…

 今は新しいネタを作るようにしています。改めて今までのネタを振り返ってみると、「自分たちが弱者だ」っていうことを売りにしたものが、8割くらいを占めていたことに気付きました。でも「THE SECOND」で準優勝してしまったので、自分たちが弱者じゃなくなってきちゃったんです。そうなるとネタが変わってきちゃうんですよ。「THE SECOND」では、もれなく「(相手に)負けますよ。俺たちの方が売れていない。俺たちが一番貧乏だ」っていうのを大看板にして前に進んでいったわけですよ。それがなくなるから、ちょっとテイストを変えなきゃなと切実に思っています。

捉えられ方の変化でネタ作成にも工夫が必要

 お客さんの前でも新ネタをやってますけど、捉えられ方が違ってきているなって感じます。このフレーズは「今はそうでもないんじゃないかな?」っていうものが出てくるんですよね。例えば、「本当、バイトばっかりで毎日嫌だな」とかの台詞を入れにくくなるというか。これまでは一番下からしか戦ってこなかったので…。勝負ネタって1年に1本もできないんです。賞レースのトーナメントでへたに決勝まで行ってしまうと、もうネタがないんですよ。今まで作ったストックがないので。だから、ライブの中でも環境が変わってきていますね。

北海道でもっと仕事がしたい

 今は北海道ならどこでも行きたいです! 俺は札幌出身っていっても、大人になってからは住んでいないので、景色の良いところとかが分かる前に東京に出て来ちゃっているんですよね。それって若いときはあんまり分からないじゃないですか。函館から行って、江差の方とかも見てみたいし、まだ行ったことがないんですよ。稚内とか旭川は行ったことがあるんですけど、道東はない。釧路で何か良い仕事はないですかね? 北海道放浪記、お願いします!(笑い)


【今月の西堀さんぽ】

代々木公園から渋谷に渡る陸橋です! ここから見る渋谷の高層ビルがとても好きです。


 

■プロフィール 西堀亮(にしほり・りょう) 1974年10月4日生まれ、札幌市出身。石狩南高卒業後、お笑い芸人を目指して上京し、相方の滝沢秀一と98年にマシンガンズを結成した。2003年から太田プロダクションに所属。07、08年「M-1グランプリ」準決勝進出。12年「THE MANZAI」の認定漫才師50組に選ばれる。20年、発明学会「身近なヒント発明展」にて優良賞を受賞。23年「THE SECOND~漫才トーナメント~」で準優勝。

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