新庄監督誕生―。日本ハムは２９日、新庄剛志氏（４９）の次期監督就任が決まったと発表した。２００６年以来の球界復帰。来季は１６年ぶりに北海道で戦うことになった。米大リーグも経験しており、北海道移転後の日本ハムを地域に根付かせた功労者だ。現役時代は型にはまらないプレーでファンの目を引きつけた。指揮官として、どのような采配を見せるのか、注目が集まる。

　新庄が監督として、北の大地に戻ってくる。午後２時、球団が新庄氏の次期監督就任を発表。このタイミングを待っていたかのように、すぐさま自身のＳＮＳを更新した。
　ツイッターでは「新庄剛志らしく突き進んで生きます！」と意気込みをツイートし、インスタグラムでも「努力は一生　本番は一回　チャンスは一瞬　この言葉を胸に日本ハムと共に、笑顔を忘れずこれから長い船旅を戦って行きます」という決意をしたためた。続けて「あっちゃん　時代は誰かが変えれる」と稲葉ＧＭとの“共闘”も誓った。
　この日のロッテ戦前に取材に応じた栗山監督は「野球に対する情熱とか理論とかしっかりしているから。次にこの子たちを勝たせてくれると信じているので、よろしくお願いします」と期待を寄せた。
　チームは３年連続Ｂクラスと低迷。２０２３年に新球場「エスコンフィールド北海道」の開業を控える中、立て直しは急務だ。新庄氏は米大リーグでもプレー。豊富な経験があり、人気復活も含め、うってつけの存在となる。
　稲葉ＧＭとの二人三脚でチームを生まれ変わらせる。小笠原ヘッド兼打撃コーチや荒木投手コーチは退任することとなり、首脳陣の顔ぶれも大きく変わる。来季の組閣について、稲葉ＧＭは「その辺は監督が決まらないと、組織っていうのはなかなか（決まらない）」と話していたが、新監督が正式に発表されたことで、速やかに着手していくことになりそうだ。
　背番号１の復活もあるか―。今季まで「１」を背負っていた斎藤は引退し、現在は空き番号となっている。斎藤が引退を発表した１日には、自身のツイッターで斎藤をねぎらった後に「次は誰が背番号１をつけるんだろう」と言及していた。監督が「１」を背負うことは異例ではあるが、巨人の長嶋終身名誉監督も、現役時代と同じ「３」を背負って指揮を執った事例もある。
　現役時代にフィールド内外で見せた奇想天外な振る舞い同様、どのような采配をするのか興味は尽きない。新生ファイターズの先導役は決まった。あとは突き進むのみだ。

新庄 剛志 （しんじょう・つよし） １９７２年１月２８日生まれ。福岡市出身。福岡・西日本短大付高から８９年ドラフト５位で阪神に入団。２０００年オフにＦＡで大リーグ・メッツに移籍。０２年にはジャイアンツで日本人初のワールドシリーズ出場を果たした。０４年から日本ハムでプレーし、０６年にチームを４４年ぶりの日本一に導いて引退。１０度ゴールデングラブ賞に輝き、日米通算１５２４安打をマーク。昨オフのトライアウトで現役復帰を目指したがかなわず。来季、１６年ぶりに野球界に復帰し、日本ハムで指揮を執る。