プロゴルフ
2023/07/07 20:30

20歳の道産子・宮澤美咲が自身最少67をマーク 2位タイで決勝ラウンド初の最終組【女子ゴルフ・ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ】

宮澤(中央)は、レギューラーツアーで過去最少スコアの67で上がり、ギャラリーから温かい拍手を送られる(撮影・西川薫)

■ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ2日目
▽予選ラウンド最終日(7月7日、札幌・真駒内カントリークラブ空沼コース、6611ヤード、パー72)

千歳市出身の20歳、今年からツアー参戦

 首位と3差の6位タイから出た千歳市出身の宮澤美咲(20、HESTA大倉)が5バーディー、ノーボギーの67で自身のレギュラーツアー最少スコアをマークし、2日間通算7アンダーで2位タイに躍り出た。予選2日間同組で回った苫小牧市出身の単独首位・菊地絵理香(34、ミネベアミツミ)に1差で決勝ラウンド進出を果たした。

 ツアールーキーの宮澤が地元トーナメント2度目で初の予選突破。ツアー5勝の菊地、同8勝の小祝さくら(25、ニトリ)と国内トップクラスの先輩らと、レギュラーツアーまだ21試合目の20歳ががっぷり四つに組み合った。「2日終えてこの位置は初めて。明日もしっかりスコアを伸ばしたい」と声を弾ませた。

2日続けて高難易度の18番を攻略

 最大のピンチを切り抜けた。2日続けて難易度が一番高かった最終18番、425ヤードのパー4。ラフからの第3打はスピンがかからず、ピン奥4メートルの下りのフックラインが残った。これをしっかり決めてパーセーブ。「パターが良かった。最初はちょっとタッチが合っていなかったけど、徐々に6~7メートルが入るように(なった)。変えて良かったです」と、前週から投入した新兵器に笑みを浮かべた。

「『ナイスバーディー!』の声がいつも以上に嬉しい」

 声援に応える宮澤の姿が実に初々しい。「やっぱり地元なので、応援に来てくれている人が多い。『ナイスバーディー!』の声がいつも以上に嬉しいです」と何度も頭を下げた。

小学2年から父の英才教育

 21年、2度目のプロテストで合格。だが、ゴルフを始めた頃は「大会に出ても、いっつもビッケ(最下位)でした。周りに迷惑をかけるので」と、小学4年で一度大会から引退。しかし同6年の春、父・治彦さんに苫小牧の練習場へ半ば強制的に連れて行かれ、みっちり指導を受け再び競技に復帰した。高校は通信制の青森山田札幌校を選択。2週間に1度の登校以外は朝1.5㌔のランニンングに始まり、午前9時から正午までアプローチとパター練習。午後からは450球の打ち込みとショートコースをラウンドするなど練習漬けの日々。2年になると一気に頭角を現し、本気でプロを目指す覚悟を決めた。

地元の応援会が遠征費補助

 地元の応援も力が入っている。プロテスト合格後の22年6月、ジュニア時代からお世話になっていた千歳のザ・ノースカントリーゴルフクラブが事務局となり「応援する会」が発足した。年会費を集め遠征費の補助などを行っている。22年8月に同クラブの勧めで男子ツアー・セガサミーカップの主催者推薦枠をかけたマンデートーナメントに出場した。今大会の冠企業、ミネベアミツミのグループ会社、ミツミ電機千歳事業所も法人会員に加わっている。6日の初日はメンバーが応援に駆けつけ「頑張ってねと言ってくれた。力になりますね」。今大会終了後には交流会も計画されているそうで、なんとしても好成績を収め周囲の応援に報いたいところだ。

大会中も行うほどのゲーム好き

 ゴルフ場を離れると今どきのゲーム好きの20歳だ。22年のステップアップツアー優勝時には、自分へのご褒美に「今日発売の新しいポケモンを買いたい」と仰天発言。最近はインターネットを通じて同時に複数人でプレーできる「スプラトゥーン」がお気に入りだ。「友達と一緒に遊ぶ機会がないので、電話して一緒にゲームをして楽しんでいます。最近はそれだけですね。今日もやる予定です」と、大会中もゲームでリフレッシュする。

北海道勢10人目のツアー覇者最有力に

 8日は自身初の決勝ラウンド最終組。「他の所でも優勝争いをしたことがないので、すごくやる気が出ます。優勝もしたいけど、トップ10入りをまだ経験していないので、まずはトップ10入りを目指して頑張ります」と試合前の目標設定に変更なし。その目標を追い求める先に北海道勢10人目のツアー優勝が見えてくる。


プロフィール 宮澤 美咲(みやざわ・みさき) 2002年9月13日、千歳市出身。千歳第二小2年からゴルフを始める。アマチュア時代の主な成績は、2019年の北海道高校選手権と北海道ジュニア選手権優勝。21年、2度目のプロテストに合格。22年のニトリレディスでレギュラーツアーデビューした。22年ステップアップツアーで1勝と年間賞金ランク2位の権利で、23年前半戦のレギュラーツアー出場権を獲得。6月のニチレイレディス終了時点での第1回リランキングで25位に入り、中盤戦の出場権も獲得した。160センチ、66キロ。右利き。家族は両親。

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