加藤豪 25日ソフトバンク戦で1軍初昇格 負傷離脱から2カ月

■イースタン・リーグ5回戦 楽天3ー2日本ハム(5月24日、鎌ケ谷スタジアム)
機は熟した 逆輸入ルーキーがいよいよ1軍舞台へ
けがで出遅れた〝大型新人〟が、いよいよデビューの時を迎える。日本ハムの加藤豪将内野手(28)が25日のソフトバンク戦(エスコンフィールド)から1軍に昇格することが決まった。本拠地のファンの前で即、初出場する見込みだ。米マイナーから10年かけてメジャーにはい上がった不屈の男が、今度は日本最高峰の舞台で大暴れする。
準備は万端だ。負傷していた右脇腹は「もう痛みは全くない。状態は良いです」と回復した。ここまで2軍戦に6試合出場し、打率・211ながら、力強いスイングを披露している。本職の二塁以外に一、三塁の守備にも就き、連戦もこなすなど、1軍の戦力になる想定をしながら着実に前に進んできた。
マイナーからはい上がり昨季はメジャーも経験
普通のルーキーとは、経験が違う。両親は日本人だが、米国で生まれ育ち、2013年にヤンキースからドラフト2位で指名され入団。昨年には悲願のメジャー昇格を勝ち取った。昨秋のNPBドラフトで日本ハムから3位指名を受け、「こんなに光栄なことはない。自問自答を繰り返す中で、自分が日本人だということ、日本の野球に触れてみたいという思いがあることに気づいた。日本で学んでさらに自分を高めたい」と挑戦を決意。秋季キャンプに志願参加するなど、新天地に適応するべく精力的に汗を流した。
負傷離脱に悔し涙 つらい時期を乗り越えさらに成長
全てが順調だったが、落とし穴が待っていた。春季キャンプ終盤の2月下旬、右脇腹に違和感を覚えた。その後もプレーを続けたが、3月13日に精密検査を受け、肉離れが判明。開幕1軍が絶望となり、悔し涙を流した。同月中は北海道で治療を続け、4月からは千葉・鎌ケ谷の球団施設でリハビリを行ってきた。
「野球ができない時間は今までで一番長い」とつらい時期を過ごしたが、1軍の試合は欠かさず見て勉強するなど前向きに乗り越え、5月9日の2軍DeNA戦で約2カ月ぶりの実戦復帰を果たした。
借金返済、そして上位進出へ 逆襲のキーマンになる!
24日の同楽天戦には「4番・一塁」で先発。3打数無安打ながら犠打を決めるなどチームに貢献し、最終確認を終えた。1軍は5月に入って徐々に調子を上げているが、借金返済には至っていない。一気に上位へ駆け上がるための起爆剤として、加藤豪にかかる期待は大きい。負傷離脱中も謙虚に日本野球を学び続けていた逆輸入ルーキーが、逆襲のキーマンになる。