高校野球
2023/02/20 11:30

小樽双葉の小林新監督が旋風巻き起こす「16年やってきた長谷川先生を喜ばせたい」《新天地で輝く》

生徒たちと対話を重ね、意図を理解させた上でより効率的な練習に取り組む小林監督(左)

昨年4月からコーチを務め、1月1日付で監督に就任

 小樽双葉を初聖地に導く―。釧路・武修館で監督を務めていた小林正人氏(35)が、1月1日付で小樽双葉の野球部監督に就任した。昨年4月から同校に着任し、コーチとして指導を開始。前監督の長谷川倫樹部長(39)とバトンタッチした。

14年に武修館で夏の甲子園出場 「釧路は特別な場所。人生が変わった」

 8年間監督を務めた武修館では、着任した14年夏に甲子園出場を果たすなど、北北海道大会で結果を残した。「釧路は特別な場所。これまで出会った人たちに多くを学ばせてもらった」と、大きな財産となっている。また、聖地に足を踏み入れたことで「人生が変わった。甲子園がなかったら、今ここにいないかもしれない」と振り返る。

小樽双葉でも目標はもちろん甲子園 強豪・北照にも「工夫すれば戦える」

 南北海道での目標はもちろん「小樽双葉の初甲子園」とキッパリ。35歳で巡ってきた転機に「新しい環境を与えてくれて、ありがたいです。16年やってきた長谷川先生を喜ばせたい」と誓った。小樽支部では強豪の北照が頭一つ抜けている。しかし小林監督は「強いチームだけど、取り組み方を工夫すれば戦える」と言い切った。

 現在は2年生9人、1年生18人の計27人の部員を率いている。土日は石狩市にある屋内練習場「フェニックスフィールド」を使用。午前中は技術練習に取り組み、午後からは校舎に戻って、体力強化に時間を費やしている。3月下旬には岡山遠征を予定。「専用のグラウンドもある」と野球漬けには最高の環境を用意できた。

思考力の鍛錬を重視 「練習の本質を見極められれば、技術も伸びていく」

 武修館時代から選手の〝思考力〟を鍛えることを重視。何のために練習するのか、という意図を常に伝えている。普段から「なぜ、そう考えたのか?」と生徒たちと対話を重ね、その考えの根拠を求める。「練習の本質を見極められれば、技術も伸びていく」と、これまでの経験から自分なりの答えを導き出した。

 「全部、テーマがある。トレーニングや練習の勉強をしてなかったら身に付かない。僕はそこに行きたい。どんな学校だって、練習の取り組み、考えが共通認識で理解できてくれば強くなる」と意図を説明した。冬場のトレーニングでは「技術やフィジカルはもちろん、メンタル面も含めて、総合的に伸びるのがこの期間。考えさせる時間も多く取れる」と、選手たちの成長を見守っている。

「思いが一気に集結して、全員で感動しているときが一番うれしい」

 悲願の先に抱いているイメージがある。「関わっている人たちの思いが一気に集結して、全員で感動しているときが一番うれしい」と小林監督。〝小樽双葉旋風〟を巻き起こすために、全身全霊を注ぐ。


■プロフィール 小林 正人(こばやし・まさと) 1987年10月17日生まれ、札幌市出身。現役時代は北海道尚志学園高で内野手としてプレー。3年夏に南北海道大会に出場した。その後、北海学園大でプレーし、卒業後は4年間コーチを務めた。2014年に釧路・武修館高の監督に就任し、同年夏の甲子園に出場。昨年4月小樽双葉高に着任し、コーチを務め、今年の1月1日から監督となった。180センチ、88キロ。家族は妻と3男。

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