アマスポーツ
2022/12/27 19:00

札幌山の手が3度目女王に王手 ウインターカップ女子準決勝

3点シュート3本を決めたセンターの岡井(撮影・富田茂樹)

■ウインターカップ全国高校バスケットボール選手権 第5日(27日、東京体育館)
▽準決勝 札幌山の手98-68岐阜女子

2011年以来11年ぶり決勝進出

 札幌山の手、3度目女王に王手! 準決勝が行われ、札幌山の手が98―68で岐阜女子に大勝し、2連覇した2011年以来の決勝進出を果たした。186センチの長身留学生がいる岐阜女子に対し、C岡井遥香(3年)の3本など6人合計13本の3点シュートを決め、終始主導権を握った。決勝では、夏のインターハイを制した京都精華と、冬の日本一の座をかけて激突する。

センター岡井が3点シュート3本成功

 岡井がチームの3点攻勢をけん引し、決勝進出に大きく貢献した。第1クオーター(Q)、谷口憂花(2年)の3点シュートで幕を開けると、直後に岡井も右コーナーから1本目の3点シュートを決め続いた。1Q終了間際にも右45度付近から2本目を成功するなど12得点を挙げ相手に10点差をつけた。「周りのパスもすごい良かったんで、ノーマークでコーナーから気持ちよく打てた。シュートが入ったのは、みんなのパスのおかげです」と声を弾ませた。

黄金世代の12年前はインサイドで勝負

 3冠を達成した12年前は「インサイドで作ったチーム」と神田英基監督(49)。2年生エースの長岡萌映子(28)を中心に、本川紗奈生(30)、町田瑠唯 (29)らタレント揃いの世代と比べ「違うのはスリーポイント」と、伝統のディンフェンスからの早い攻撃に加え、現代の潮流も取り入れた。

長身留学生相手には「スリーポイント」

 きっかけは2年前。準決勝までの4試合で、3点シュートの1試合平均試投数は20.3本、成功率は27.1%。神田監督は「こっち(全国)に来て、スリーポイントの確率が全く違った。うちの方が圧倒的に低くて、打たす本数は多くなった」。練習中に、20本のシューティング練習を挟むなど、長身留学生にゴール下の制空権を握られても戦えるチーム作りに取り組んできた。

 今大会では、1回戦でエース森岡ほのか(3年)が9本を成功させるなど、1試合平均の試投数は27.8本、成功率も34.5%と大幅にアップした。

岡井「1カ月めちゃ練習した」

 神田監督が「こっちに来る前の練習では、ホノ(森岡)よりハル(岡井)が入っていた。だから自信持って打ってたと思う」と言う岡井が大舞台で躍動した。「予選では全然打ってなかったんですけど、チームのスリー不足があったので、自分がコーナーから打ったら強い武器になるかなと、1カ月めちゃ練習しました」。2回戦までは成功1本だったが、3回戦以降は4本、3本、3本と、準決勝まで合計11本をマークし、成功率は44%。入学当初からシュートタッチには定評があったが、大舞台で新たな可能性を切り開いた。

インターハイはコロナで辞退

 王手をかけて挑む決勝戦。相手は夏の王者・京都精華。札幌山の手は全国高校総体の出場権を手に入れながらも、新型コロナの影響で辞退した。「この1年、一番つらかったのは、どのチームよりも自分たち。京都精華は2連覇かかってるけど、自分たちは逆に何もない。どんどんぶつかって、夏の分も全部取り返したい」。必ず、優勝カップを北海道に持ち帰る。

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