アマスポーツ
2022/12/25 19:00

札幌山の手2年ぶり8強 インターハイ8強の明星学園に逆転勝ち ウインターカップ女子3回戦

ドリブルで攻め込む森岡(中央)と岡井(左)(撮影・富田茂樹)

■ウインターカップ全国高校バスケットボール選手権 第3日(25日、東京体育館ほか)

▽女子3回戦 札幌山の手100-96明星学園(東京)

3試合連続3桁得点

 女子3回戦は、札幌山の手が100―96でインターハイ8強の明星学園(東京)に逆転勝ち。3試合連続の3桁得点で2年ぶりの8強に進出した。序盤から、195センチの留学生、アダム・アフォディア(3年)を中心とする相手の攻守にミスを連発したが、後半に入ると、相手のファウルトラブルを機に逆転に成功。最後は、U18日本代表の森岡ほのか主将(3年)―岡井遥香(3年)のホットラインで相手を引き離し、ハイスコアの激戦を制した。26日の準々決勝では、2年ぶりの4強入りをかけて、千葉経大附属高と対戦する。

〝ホノハル〟コンビが躍動

 〝ホノハル〟コンビが勝負どころで躍動した。1点リードして迎えた第4Q残り3分54秒。左サイドの森岡が、右コーナーからゴール下付近へ走り込んだ岡井へラストパス。これを岡井がしっかり決めると、直後の守備では、岡井がリバウンドをもぎ取り、速攻を展開。再び森岡からのパスをリングに沈め、リードを5点差にした。これが決定打となって勝利をたぐり寄せた。この試合、2人のコンビで11得点をマーク。森岡主将が「ハルは絶対動いてくれると思ってパスした」と言えば、今大会自己最多の25点をマークした岡井も「ホノがパスくれると思って動いてました」と息もぴったり。試合後には仲良く肩を組んで、互いをたたえあった。

 開始早々、後手に回った。2回戦までは平均身長で相手を上回ったが、今大会初めて長身留学生選手と対戦。さらに明星学園・池田の激しい守備に出足を止められ、第1クオーターだけで9スチールを含むターンオーバーが12度。得意の走るバスケを封じられた。アダムとマッチアップした岡井は「中に入られて取られたら、絶対に勝ち目がないので、その台形(ペイントエリア)に入れないで、しっかり押して体で守って頑張ろうと」。身長差マイナス22センチのミスマッチにも果敢に立ち向かった。

森岡主将「前半はこれぐらいでも大丈夫って思いながら」

 チームは21日に関東入り後、この日の3回戦で3連覇中の女王・桜花学園(愛知)を破った東海大福岡や八雲学園(東京)と練習試合を行った。神田英基監督(49)は「留学生にボールが入った瞬間に、ダブルチームに行って、ターンもさせないようにしてパスさせて」と対策を施してきた。追いかける展開になったが、森岡主将は「自分たちは結構後半で追い上げる形が多いので、前半はこれぐらいでも大丈夫って思いながら落ち着いてできた」と焦ることはなかった。

 反撃ムードが高まったのは、52―64で迎えた第3Q残り8分。岡井が右サイドからドリブルでリングへアタックに行くと、止めに来たアダムが3つ目のファウルで4分弱、ベンチへ下がった。この間に岡井、森岡らの得点で6点差まで詰め寄った。岡井は25得点中、第3Qだけで3点シュート2本を含む11得点とチームに勢いをもたらした。

 さらに第4Q序盤に、5スチールと苦しめられた明星学園の池田が4ファウルで一時ベンチに。札幌山の手が有利に試合を運んだ。スタンドでは、2回戦までに敗れた、とわの森三愛と白樺男子の選手たちが駆けつけた。岡井は「ちょっとうれしくなっちゃいました。その応援の分も決め切りたかった」と、試合後に何度も手を振って感謝の気持ちを伝えた。

 名伯楽からの叱咤は、期待の証しだ。試合中、何度もコート上やベンチに下げた岡井に、上島正光コーチ(79)からカミナリが落ちるのは、主力になった去年からの日常的な光景。岡井自身も「いつも通り、全道と変わらないです」と笑い飛ばす。

4強かけ千葉経大附属高と対戦

 いよいよ2年ぶりの4強入りをかけて、千葉経大附属高と対戦する。岡井は「やることは変わらない。絶対自分が走れば、ホノからパスがもらえる。たくさん走って、たくさん速攻で決めたい」とキッパリ。体力と気力を振り絞り、ゴールに襲いかかる。
 

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