ファイターズ
2022/12/26 18:10

連載「FtoF」④〝見逃し三振〟乗り越えプロ初安打 今後は球団職員としてチームを支える片岡奨人さん

1軍定着とはいかなかったが、プロでの3シーズンを全力で駆け抜けた片岡さん

日本ハムで3シーズン トライアウト経て現役引退

 日本ハム(〝F〟IGHTERS)に在籍した元プロ野球選手に、未来(〝F〟UTURE)への展望を聞く連載「FtoF」。第4回は、2020年から3年間、道産子外野手として奮闘した片岡奨人さん(25)。10月に戦力外通告を受け、トライアウト受験後に現役を引退した。来年からは球団職員となり、選手とは違う角度からチームを支えていく。今季〝見逃し三振〟で2軍落ちした際の心境などを包み隠さず明かした。

プロ初の1軍昇格が一瞬で終わった最後の1年

 現役ラストイヤーは激動の日々だった。5月5日にプロ初の1軍昇格。長い2軍生活の末、ようやく手にしたチャンスは一瞬で終わった。同10日、オリックス戦に六回の守備から途中出場するも、七回の打席で山岡のスライダーに手が出ず、見逃し三振。試合後、新庄監督から名指しこそされなかったものの「1軍に残りたいという姿勢が全く見えない。バットを出さない限り一生結果は出ない」と叱責(しっせき)され、翌日には降格が決まった。

 「監督から直接は言われていなくて、ネットも見ないので分かっていなかったんですけど、周りにイジられて知りました。(2軍落ちは)振らないからだって。でも僕の中ではそれ以前に、これは(1軍舞台で)やっていけないなって思っていました。何も武器がない。初めて1軍に上がって、あの舞台であのボールを打つのに、2軍でやってきたことはちょっと違って通用しなかった」

「あれがあったからスイッチが変わった」

 当初は指揮官からの一喝に落ち込む余裕もないほど、1軍のレベルの高さに打ちのめされた。しかし、強烈な言葉をエネルギーに変え、2軍で奮い立った。再昇格を勝ち取ると8月7日、因縁のオリックス戦でプロ初安打をマーク。今では〝見逃し三振降格〟にも感謝の気持ちでいっぱいだ。

 「僕の中でも、あれがあったからスイッチが変わった。何か変えなきゃダメだなって思えた。むしろ(2軍に)落とされたから、プロ初ヒットが打てたと思っている。支えてくれた全ての人のおかげです」

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