高校野球
2022/09/08 23:05

札新陽の満塁男 1年・中塚が公式戦初出場で2連続適時二塁打5打点

満塁男襲名だ―。札新陽の中塚は2度の満塁機で2本の二塁打を放ち5打点の荒稼ぎ(撮影・西川薫)

▽秋季全道高校野球支部大会 札幌支部Eブロック2回戦 札新陽8-5札光星(8日、札幌麻生)

 札幌支部2回戦6試合が行われた。Eブロック2回戦は札新陽が8―5で札光星に勝利。公式戦初出場の6番・中塚心翔一塁手(まなと、1年)が、2度の満塁機で2二塁打を放ち、5打点の荒稼ぎ。3季通じて初の全道へ向け好発進した。

六回2死満塁で突然頭の中に「打てる」とひらめき

 背番号16の中塚が、札新陽の満塁男を襲名だ。チームの半分以上の得点を叩き出したルーキーは「満塁だと内野が前に出てくるので、ちょんと当てて外野の前に落とすのも昔から得意だった。苦手ではない」と、強心臓ぶりをのぞかせた。

 2打席凡退で迎えた、1点ビハインドの六回。前の打者が四球で2死満塁の逆転機で打席に入ると、投手が投げる前に突然頭の中に「一瞬、打てる」と、ひらめいた。すると初球を左中間へ運ぶ走者一掃の3点二塁打。「たぶん真っすぐ。コースは覚えていない。がむしゃらに打つだけだった」と、試合をひっくり返した。

八回1死満塁では「(何も)降りてないです」 と苦笑い

 続く八回1死満塁。今度は1ボールから再び左中間へ2点二塁打。「その時は(何も)降りてないです」と苦笑いしたが、「最初に二塁打を打った感覚が残っていたので、そのまま打ちました。持ち味はシャープな打撃です」と振り返った。

 中学時代は硬式の真駒内シニアに所属。3年春の全国選抜では16強入りし、代打の切り札として活躍した。「大事な場面で代打とかあったので、その経験が生きています」と、チャンスでの勝負強さには自信がある。

 チームの目標は「楽しく野球をやろう」。その中でも、春は支部準決勝、夏は代表決定戦まで進出。ともに南大会4強入りした東海大札幌高に善戦したが、道大会は届かなかった。「最初は全道に行きたいとか、思わなかったけど、最近は可能性が近づいてきた。行きたいです」。創部36年目。怖いもの知らずの満塁男が、札新陽初の全道切符へ打ちまくる。

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