三重殺食らっても絶賛「あれはいい作戦」

　バントエンドランを猛練習させる―。日本ハムの新庄剛志監督（５０）は、今年の秋季キャンプで新たな作戦を徹底的に練習させる計画を練っている。夏の甲子園で大阪桐蔭が見せたバントエンドランだ。結果は三重殺となったが「あれはいい作戦」と感心していた。少ないチャンスで得点を重ねるために、やれることは全てやる。

　来季の戦いに向けても、新庄監督はすでに頭をフル回転させている。就任１年目の今季も一、三塁での重盗やツーランスクイズなど、さまざまな作戦を披露しているが、さらに新しい攻撃を取り入れるつもりだ。

　夏の甲子園準々決勝、大阪桐蔭が下関国際と戦った際に無死一、二塁からバントエンドランを敢行した。バントが小飛球となり三重殺となったが、新庄監督は「あれはいい作戦。普通のバントじゃなかった。（バットを）押していたので。大好き、ああいうの。トリプルプレーになりましたけど、あれ成功したら作戦成功ですからね」と言及していた。

秋季キャンプで「とことん練習してもらう」

　そのプッシュバントでのエンドランを秋季キャンプから「とことん練習してもらおうかな」と、新庄監督は今から乗り気だ。

　さらに今季の残り試合も、来季に向けてのチームづくりのためには貴重な“鍛錬の場”とする。「（ビハインドで）点数が離れた瞬間に、もう練習に切り替えて。ランナーが出たら送りバントとか、エンドランとか、スクイズで１点をどうやって取るか（模索する）。試合でしかできない練習っていっぱいあるから」と、点差をつけられた試合も前向きに捉え、有効利用する。全ては次の勝利につなげるため。試合でも練習でもキャンプでも、無駄な時間はどこにもない。