ファイターズ
2022/08/23 23:06

鈴木が再三の満塁機しのぎ五回途中0封 先発転向2戦目「やっていて楽しい」

四回2死満塁で福田を空振り三振に仕留め、雄たけびを上げる鈴木(撮影・桜田史宏)

■日本ハム0-0オリックス(23日、釧路・ウインドヒルひがし北海道スタジアム)

 日本ハムは23日、釧路でオリックスと対戦し、0―0で今季3度目の引き分け。七回を終えた時点で試合の続行が不可能と判断され、日没コールドとなった。照明設備のない釧路での日没コールドは2019年8月28日の西武戦(8―10)以来となった。先発登板した鈴木健矢投手(24)は再三のピンチを切り抜け、4回2/3を無失点と好投した。

釧路で3年ぶり日没コールド

 土俵際で踏ん張った。先発2戦目に臨んだ鈴木は4回2/3を投げ、6安打4四死球と毎回走者を背負っても、表情一つ変えずにアウトを積み重ねていった。〝サブマリン〟の「釧路初潜行」は何とか無失点で終えた。

 三回1死満塁の場面では右翼手・古川裕の好返球で犠飛を阻止。続く四回には無死満塁という絶体絶命のピンチも開き直った。紅林を一邪飛、若月を遊飛、最後は福田から空振り三振を奪い、大きくグラブを叩いて右拳を握った。

 五回も2死までこぎつけたが、満塁でこの試合2安打の小田を迎えたところで降板。「悔しい登板だった。5回を投げきれなかったのもそうですし、3者凡退が一回もなかった。もっと改善しなきゃいけない点はすごくある」と唇をかんだ。しかし、新庄監督はベンチ前で真っ先に出迎え、鈴木とハイタッチを交わした。

 先発転向2試合で計11回2失点。下手投げも板に付き、時折横手からの投球も織り交ぜながら、結果を残している。「シーズンオフとか、上から縦の変化とか練習しようかな」と笑う表情は生き生きとしていた。

登板前は緊張「ご飯食べられなかった」

 その一方で、勝敗を大きく左右する先発としての重圧を日々感じている。「前日寝られなかったり、ご飯を食べられなかったりとか。投げ始めたら試合に入っていけるけど、それまでがちょっと大変」。この日も食事が喉を通らず「嗚咽(おえつ)していました。ブルペンに入る前、キャッチボールしに行く前まで、ずっと気持ち悪かったです」と明かした。

 酸いも甘いも味わいながら、階段を上っている。そして、何よりも「先発をやっていて楽しい」と目を輝かせる。ビッグボス仕込みの〝サブマリン〟は、最高の「JOKER」になり得る存在だ。

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