ファイターズ
2022/08/19 23:10

新庄監督あえてノーサイン戦法「頭を使わせるのはものすごく大事」自ら考える野球植え付ける

六回無死二、三塁。ポンセがソフトバンク・デスパイネに犠飛を許し、新庄監督はマウンドを静かに見つめる

■日本ハム2-7ソフトバンク(19日、ペイペイドーム)

七回無死一、三塁でベンチ動かず「任されているという気持ちに」

 勝ち負けよりも大切な裏テーマを掲げ、戦っていた。新庄剛志監督(50)はあえて攻撃の策を封印し〝ノーサイン戦法〟でソフトバンクにぶつかった。戦術の理解度を深めるためにも、自ら考え、実践することを選手に求めた。

 4点を追った七回に反撃を開始。上川畑、今川、近藤の3連打で1点を返し、無死一、三塁。バリエーションに富んだ重盗やスクイズ、エンドランなど、選択肢は山ほどあった。開幕当初から一、三塁は指揮官の大好物。足や小技を駆使する奇襲を何度も繰り出し、成功させてきた。

 この場面、ベンチは動かなかった。古川裕は強攻して一ゴロ。三走が生還して2点目は奪ったが「3―6―3」の併殺で2死。つかみかけた流れは、プツリと途切れた。

 試合後、新庄監督が明かした。「サイン? ないない。きょう(19日)は最初からサインは出さない(と決めていた)。どうやって点を取るのか、自分で楽しむというか」

 意図は明確だった。「頭を使わせるというのはものすごく大事なので。僕もそうだったんですけど。何も(サインが)なかったら打て。任されているという気持ちにもなる」。ベンチの考えにただ従うだけでは一流になれない。強いチームへと変貌させるため、ビッグボスは高度な宿題を課していく。

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