ファイターズ
2022/07/12 06:00

「グワっと燃えてくるんじゃない?」新庄ビッグボス 球宴明けからメンバー固定

オールスターまで残り10試合。BIGBOSSはこれまで以上に鋭いまなざしで選手を見極めていく

 テストから本番へ―。日本ハムの新庄剛志監督(50)が、球宴明けの後半戦からレギュラーメンバーを固定し、戦う意向を示した。個々の能力を見極めるため、野手はけが人を除き、支配下全員を1軍で起用してきた。お試し期間は、もうすぐ終わる。生き残りを懸けたサバイバルは残り10試合。今月29日の楽天戦(楽天生命)から、勝つための野球にシフトチェンジする。

全体ミーティングで選手に直接ハッパ

 独自路線を行くビッグボスの野球はいよいよ次のフェーズに突入する。春季キャンプから横一線の競争を促し、シーズンが開幕しても多くの選手にチャンスを与えてきた。テーマは「勝つことよりも成長」。目先の白星にとらわれず、育成と強化に力を尽くしてきた。

 今月7日のロッテ戦前。選手、スタッフを集め、新庄監督が今後の構想を伝えていた。「オールスター明けからポジションも打順も固定していく。29日から、来年の先を見込んで、固定します」。限られた期間で結果を残さなければ、生き残れない。今年初の全体ミーティングで、ハッパを掛けつつ、シビアな現実を突きつけた。

松本剛、野村、近藤が大きな存在感アピール

 今季はここまで82試合を消化した。松本剛がパ・リーグ断トツの打率.360をマークしている。野村はリーグ5位の打率.285で、31打点はチーム最多。大黒柱の近藤は右脇腹の肉離れで8週間、戦列を離れたが、6月28日に復帰し、勝負強さを発揮している。今月9日と10日に2戦連続で決勝打を放った。

清宮に覚醒の兆し、上川畑は評価急上昇

 清宮は打率.245だが、チームトップ11本のアーチをかけ、覚醒の予感を漂わせている。ドラフト9位ルーキーの上川畑は堅守とシャープな打撃で評価が急上昇した。直近2試合は、この5人が1~5番で機能。固定はまだ先だが、新庄監督は「流れ的にはすごく点を取りやすい。攻めやすい、1点ずつを取りにいく打順ではある。安定感がありますよね」と手応えを感じ取っていた。

 パンチ力のある石井や足、守備力に定評がある浅間も随所で持ち味をアピールしている。内野全ポジションを守れる谷内も欠かせない戦力。今は2軍だが、長打力が武器の万波や今川も課題克服に取り組んでいる。実績のある渡辺や中島も虎視眈々と復活を期している。

捕手とDHは固定せず 助っ人含め競争激化

 投手との相性が影響する捕手と、疲労軽減を目的に複数選手を使い分けるDHは、球宴後も固定しない方針。それでも、ヌニエスら外国人選手を含め〝イス取りゲーム〟は激しさを増す。

 指揮官は期待を込め、言葉をつないだ。「3日もあれば、人生変わるんで。3試合で12打数9安打とか打てるチャンスがあるのだから。29日にポンと、ポジションをつかむ。可能性はあります。みんなね。グワっと燃えてくるんじゃないですか?」。どんなスタメンが組まれるのか―。一つの答えが出る。

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